

アフリカでは3億人以上がトウモロコシを主食としています。特にサハラ砂漠以南、2,430万平方キロメートルに及ぶ広大な地域では、水の供給が乏しいことからトウモロコシは特に必要不可欠な作物です。世界中で最も貧しいこの地域に暮らす推定7億8,500万人[1]のうち、半数以上が自給自足の農業生産者として、焼けつくような暑さの中で日々農地を耕しています。干ばつによる不作も多いため、収量の予測は難しく、どちらかというと不作の場合が多いのが現状です。そのため、家族を養うのに十分なトウモロコシさえ収穫できない場合もあります。Water Efficient Maize for Africa(アフリカ向け水有効利用トウモロコシ(WEMA)とは、この状況を改善することを目的とした、大規模な5ヵ年開発計画です。
このプロジェクトでは、従来育種と遺伝子組み換えの両方の育種技術を用いて、様々な種類の乾燥耐性トウモロコシ種子の開発を目指しています。開発された種子の使用にあたり、小規模農業生産者は技術使用料を免除されます。本プロジェクトは、アフリカ農業技術基金(African Agricultural Technology Foundation)の主導で運営され、後援者、科学者、研究者および農業団体から支援を得ています。モンサント・カンパニーは、自社の所有する遺伝資源や、高度な品種改良の手法および専門知識とともに、BASF社と共同で乾燥耐性の導入遺伝子を提供しています。Bill and Melinda Gates基金、およびHoward G. Buffett基金から4,700万ドルの資金を得て、このプロジェクト全体は運営されています。
これまでに、推定40万エーカー(16万ヘクタール)の土地で乾燥耐性のトウモロコシ品種が栽培され、農業生産者の収量は25‐30%増加しました[2]。 しかし、今後10年間でWEMAが開発するトウモロコシ種子製品により、多少の干ばつ状態にあっても、今よりさらに20〜35%ほど収量を増やすことができます。つまり、プロジェクト参加国においては、干ばつが起きた年であっても、食糧供給が現在よりも約200万トン増えることになります[3]。
このプロジェクトは遺伝子組み換えトウモロコシを主眼としたものですが、同時に農業生産者へより良い農業訓練と支援、病害虫防除技術や、健全な土壌、余剰作物を販売する市場へのアクセスを提供することも目的としています。いずれは、こうした努力が人々の生死を分ける重要性をおびることになるかもしれません。
[1] 世界人口の推移(2006年)の2006年推定人口7億7,000万人と年間成長率2.3%に基づいている
[2] Science Daily(サイエンスデイリー)、2007年1月7日
[3] African Agricultural Technical Foundation(アフリカ農業技術基金)ニュースリリース、2008年3月19日