

フィリピンで農業を営むJesus Gavino氏と、米国で農業を営むGordon Wassenaar氏は、自分の農地に愛着を持っているということ以外にも、共通点があります。それぞれが農業を営む場所は離れていても、二人とも世界の農作物供給量の増加に重要な役割を担っていること、そしてその理由の1つに遺伝子組み換え種子を使用していることです。
Gavino氏は「遺伝子組み換え技術は収量を増やし、農業生産者に利益をもたらしてくれる重要な技術です」と前置きし、次のように述べています。「収量が増えれば、収入も増えます」。 ヨーロッパの最新の調査では、世界中の農業生産者が同じような体験をしていることが明らかになりました。それによると、1996年から2006年までの間に、遺伝子組み換え品種の普及によって、世界の農作物の生産高は1億トン増加し、農業収入も338億米ドル(約3兆円)に上昇しました。 世界中で農作物が1億トンあるということは、どういうことなのでしょうか。PG EconomicsのGraham Brookes氏によると、食糧として考える場合、1年間に3億1,000万人を養うことができるということです。
Brookes氏は、遺伝子組み換えが初めて導入された1996年から2006年までの間に、遺伝子組み換え品種により世界中の農作物は、大豆が約5,330万トン、トウモロコシが約4,710万トンも増加したことを明らかにしました。遺伝子組み換え技術を用いないで生産した場合と比べ、それぞれの収量増加割合は大豆で5%、トウモロコシで1.4%です。パーセンテージで見るとそれほど大きな伸びではないようにみえますが、世界の農業生産高の規模が莫大なことを考慮すると、その収量の差が非常に大きいことがわかります。
興味深いことに同研究では、遺伝子組み換え作物の導入によって収量が顕著に増加したのは、害虫や雑草の防除が農業体系の中でしっかりと確立していない国であることも明らかになりました。例えばルーマニアでは、除草剤耐性大豆を使用することで、収量が31%以上増加しました。一部の南米諸国では、遺伝子組み換え品種の導入で雑草防除が効率化したことにより、作物の生育条件が改善され、大豆の二期作が可能になりました。
米国の農業生産者Wassenaar氏は、飢えに苦しむ世界にとっての希望を見出しています。「世界中のほとんどの人は家族を養い次世代を担う子供たちに食べさせていけるかどうか心配せざるを得ません。。しかし従来型の農法では、この問題に太刀打ちできるとは思えません。これからも引き続き、遺伝子組み換え技術を使用する必要がある、私はそう思います」。