BIOニューズクリップ

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グローバルBIOニューズクリップ@Monsanto 
Vol.78 2010年2月25日
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☆目次★
* 今週のひとこと
* オーストラリア:西オーストラリア州が遺伝子組み換えナタネの栽培を認可
* 英国 代表的な環境保護主義者が、遺伝子組み換え作物の支持を表明
* 米国 遺伝子組み換えミントを開発中

▼▽今週のひとこと▼▽━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今週の一言は「牛丼一杯=2,000リットル」です。
 農作物を作るには水が必要です。家畜を育てるにも、その飼料作物生産に大量の水が必要になります。試算によると、コメ1トンを生産するのには3,600リットルもの水が、同じく小麦1トンには2,000リットル、トウモロコシ1トンには1,900リットルの水が必要と言われています(1)。
 では、例えば牛丼一杯を作るのにはどれだけの水が必要なのでしょうか?都内のチェーン店では約300円で食べられる牛丼ですが、牛丼一杯に必要な水の量は約2,000リットル(一般的な家庭用の浴槽15杯程度)とされています(1)。
豊かな食生活の維持には水が不可欠です。農業に利用される水は、世界の水利用総量の実に70%を占めています。世界の人口が増加する中、限りある水資源を有効に利用する事は、今後の農業生産にとって至上命題と言えるでしょう。GM技術を活用した乾燥耐性作物の開発、実用化に大きな期待が寄せられているのは、これらの事情が関係していると考えられます。
(1) 水ビジネス-110兆円水市場の攻防-(角川書店)
吉村和就:グローバルウォータージャージャパン代表


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◆ オーストラリア:西オーストラリア州が遺伝子組み換えナタネの栽培を認可 ◆
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2010年1月26日/Weekly Times
WA approves GM canola
http://www.weeklytimesnow.com.au/article/2010/01/26/152191_latest-news.html
<記事要約>
オーストラリア最大の穀物生産地である西オーストラリア州が、農業生産者の遺伝子組み換え(GM)ナタネを栽培する権利を認め、オーストラリア東部の近隣州(ビクトリア州とニューサウスウェールズ州)の仲間入りを果たしました。
西オーストラリア州政府首相であるColin Barnet氏は、農業生産者のGMナタネ栽培権を認める事によって、彼の重要な選挙公約を果たす事が出来たと述べています。
Bernet氏によるとビクトリア州、ニューサウスウェールズ州の農業生産者は2008年からGMナタネの商業栽培を始め、成功しています。
また西オーストラリア州農業食糧省のTerry Redman 氏によると、去年(2009年)同州で行われた商業栽培規模の試験において、GMナタネの栽培とGM、Non-GMナタネの分別管理の成功が実証されました。西オーストラリア州の農業地帯の広い地域でGMナタネの商業栽培規模での試験栽培を行なった17戸の農家は、GM品種のナタネが他品種と比べて試験結果が良かった事に感心しています。試験栽培で収穫された1,200トンのGMナタネは、穀物集荷団体であるCBHグループが指定する集荷場へ持ち込まれました。Redman氏は「GMナタネが全ての栽培体系において適しているとは考えないが、西オーストラリア州の農業生産者に対して、従来の栽培体系に加えて新たな手段を提供している」と述べています。
西オーストラリア州はオーストラリアの中でも主要なナタネ生産州で、2008-2009年産においては5億3,500万ドル(訳注:日本円で約48億円)に相当するナタネをオランダやフランス、パキスタン、日本、ベルギーへと輸出しています。
Produces Forum と言う名前の、草の根活動を行なう農業生産者団体の全国議長であり、西オーストラリア州の農業生産者でもあるRod Birch氏は、西オーストラリア州政府の今回の決定が、同州の穀物生産を効率的で競争力がある持続可能な農業生産のトップリスト入りさせるきっかけになると述べています。
Birch氏は今回の決定について「論理的でプログレッシブな方針」とし、次のように述べています。
「西オーストラリア州の農業生産者は、世界的にその効果が立証され、普及してきたこの技術を必要としています。私たちは過去に囚われている訳には行きません。(訳注:ナタネ生産における)競争相手であるカナダの生産者は、これまでも14年間GMナタネを利用していますし、オーストラリア国内の仲間であるビクトリア州やニューサウスウェールズ州の生産者も、2年前からGMナタネを利用しています。」
西オーストラリア州の穀物集荷団体であるCBHグループは、GMナタネとNon-GMナタネを分別して管理するかどうかについて、まだ決定していません。サプライチェーンのマネージャーであるMatthew Mews 氏は、同社がGMナタネを分別管理するかどうかの決定は、穀物輸出基準を管理する西オーストラリア州穀物協会の決定によるとしています。
Mew氏は以下のように述べています。
「西オーストラリア州内には小さな搾油業者が少ししかない一方で、今年CBHの倉庫には百万トン近くが保管されていて、そのほとんどは輸出に回されています。GMナタネとNon-GMナタネの分別管理に関する決定は農業生産者と市場の決定に依存しています。東部州の様子を見ると、GMナタネとNon-Gmナタネに大きな価格差は無く、農業生産者はGMナタネという選択肢を利用したいと考えています。この選択肢は業界全体を変えるものではなく、多くの手段のうちのひとつに過ぎません。この数年間、私たちは東部州へ穀物を出荷することはありませんでした。巨大なアジア市場は私たちにとって最大のナタネの出荷先でしたが、ここ数年は世界中へナタネを輸出するようになっています」


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◆ 英国 代表的な環境保護主義者が、遺伝子組み換え作物の支持を表明 ◆
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2010年1月20日/Bristol 24-7
Green godfather delivers shocking and heretical message for the future
http://www.bristol247.com/2010/01/20/green-godfather-delivers
-shocking-and-heretical-message-for-the-future/

<記事要約>
2009年1月18日、英国のブリストルで「環境保護主義の後見人」の一人として知られるアメリカの作家Stewart Brand氏が、400人を超える聴衆を前にして、多くの環境保護活動家にとっては衝撃的で、印象深い以下の見解を発表しました。
* 気候変動の回避に望みを託すことはできませんでした;
* 世界に十分なクリーンエネルギーを供給できるのは原子力はだけでした;
* 都会は、田園より緑に恵まれていました;
* 遺伝子組み換え作物は、世界の人口増と食糧問題にとって不可欠なものでした

Brand氏は環境保護活動において、確かな先見性を持つ人物として広く認識されています。70歳を超えた彼はブリストル市が開催したアイデアフェスティバルに招待され、その際にミュージシャンであり文明批評家のBrian Eno氏との議論を通じて、彼の近著「Whole Earth Discipline」の主張を概説しました。
Brand氏はかつて、核エネルギーや遺伝子組み換え作物を利用する事に反対していました。しかし彼は、気候変動の脅威が非常に巨大である事から、地球の資源が枯渇するのを避けるには、これらの技術を利用する以外に選択肢がないと説明しています。
遺伝子組み換え作物についてBrand氏は、「絶対的に推進すべきものです。恐らく遺伝子組み換え作物は、これまでの農業の歴史の中でも最も大きな成功であり、ヨーロッパ以外の地域ではすでに世界中で利用されています」と述べています。
同様にBrand氏は遺伝子組み換え作物を、増加する世界の人口を養うために大幅な収量増加を達成する唯一の方法としながら、その他にも乳製品と同等にカルシウムを含みながらアレルゲンを含まないピーナッツや、コレラワクチンを含むコメ、ニンジンといった有益な作物が生まれていると説明しました。
Brand氏のメッセージは、広い知識と危機感を持つブリストルの聴衆にとっては異端に映ったかもしれません。しかし、私たちが直面している問題に対する彼の衝撃的な分析には、皆がショックを受けました。
 「地球の温暖化はつまり地球の乾燥化です。地球が温暖化してしまったら、各国が資源を巡って争ったり、多くの環境難民に飲み込まれまいと過剰に反応するようになるでしょう」とBrand氏は述べています。


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◆ 米国 遺伝子組み換えミントを開発中 ◆
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2009年1月23日/Capital Press
Biotech mint necessary, researcher says
http://www.capitalpress.com/content/ml-gmo-mint-012210
<記事要約>
ミント業界では昨今、トウモロコシや大豆と同じ様に、遺伝子組み換え作物のミントの栽培開始は時間の問題であると考えられています。ワシントン州立大学の生物学者Rob Croteau氏は、米国のミント生産者が労働力や土地のコストが安い中国、インドといった産地に競合するためには、遺伝子組み換え技術を用いるのが唯一の方法であると述べています。
ミント栽培者協会から資金提供を受けるCroteau氏は、遺伝子組み換え技術を用いて現在の商業品種よりもハッカ油を2倍多く含む「スーパーミント」を開発しました。これに従来の品種を掛け合わせ、もう1つの遺伝子を加えることでさらに25パーセント、ハッカ油の含有量を上げることができるとCroteau氏は考えています。
Croteau氏によると、もしミント生産者が遺伝子組み換え技術によって作られた高油分の品種を求めるならば、1、2年のうちには生産者向けの品種を準備することが可能です。規制上の制約から発売が遅れるかもしれませんが、それでも3〜5年の間に生産者が遺伝子組み換え作物のミントを利用できるようになるとCroteau氏は考えています。
またCroteau氏によると、ミントにバーティシリウム菌類への抵抗性を持たせる事についても、生産者の間で議論がされていあます。バーティシリウム菌類はミント栽培に大きな被害をもたらし、防除がほとんど不可能で、さらに10年間も宿主なしで土壌中に生き残る菌です。バーティシリウム菌類がもたらす病害は、前世紀にミント産業をアメリカ中西部から撤退させ、北西部では栽培面積を減少させました。これまで研究によって、ジャガイモとイチゴでバーティシリウム菌に抵抗性を示す遺伝子が分離されており、Croteau氏はこのバーティシリウム抵抗性をミントに組み込む事が可能と考えています。
オレゴン州精油生産者連盟のTim Butler会長は、遺伝子組み換えミントに対する消費者の反発を、ミント生産者が懸念していると述べました。しかしハッカ油を使う歯ミガキなどの製品が、すでに遺伝子組み換えトウモロコシから生産された甘味料を含んでいるほか、油は遺伝子を含まないことから考えても、遺伝子組み換えハッカ油の摂取に対する懸念は見当違いと指摘しています。
(訳注:アメリカでは約3万haの農地でミント栽培が行なわれ、毎年1億4,000万ドル(日本円で約125億円)の農業粗生産額を産出しています。アメリカは高品質のミント油生産国として知られていますが、最近では新興栽培国(中国、インド)との競合、病気の発生、ミント栽培の収益性低下などから、世界のミント油の需要が増加する一方で、アメリカのミント栽培は低迷しています)

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