- スペイン 12年振りに米国産トウモロコシを大量入荷
- スペイン・ドイツ 複合ビタミン強化遺伝子組み換えトウモロコシの開発
- スペインにおけるBt(害虫抵抗性)トウモロコシ栽培農家9年間の経験
- 遺伝子組み換え作物の共存の現状:トウモロコシの花粉の飛散の場合
http://nxw01.jp/g.php/7W5tY4PH7lGn4AwXeM
<記事要約>
スペインは12年ぶりに米国から遺伝子組み換えトウモロコシを大量輸入しました。USDAのデータによると10月初旬に4万9,500トンのトウモロコシがスペインに向けて出荷されました。2,000トン以上のトウモロコシの船積みは1998年以来のことです。また、9月中旬には6万2,200トンのトウモロコシがアイルランドへ、5万7,309トンがドイツへ輸出され、1万8,600トンが今週末にスペインに向けて出荷されました。
現在、27の加盟国が、家畜用の飼料については未承認GM作物の混入閾値として0.1%のLLP(low level presence)を受け入れることを検討しています。スペインの家畜配合飼料業界団体であるCESFACのJorge de Saja氏は「CESFACはEUの農業大臣が11月末までにLLPの提案を受け入れると期待しており、これが認められることになれば、米国で栽培されているトウモロコシと大豆については少なくともが科学的には承認されているので、米国産トウモロコシが以前のように輸入されるようになるのではないか」と期待をよせています。
2009年4月28日/Los Angeles Times
"Corn fortified with vitamins devised by scientists"
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<記事要約>
米国科学アカデミー紀要(PNAS)で報告された研究によると、食生活が貧しい発展途上国の多くの人に著しく不足する3つの重要なビタミンの摂取を高めるため、ビタミンを強化したトウモロコシが開発されました。
この遺伝子組み換えトウモロコシは、ビタミンAの前駆体であるベータカロチンを通常の169倍も含有しているため、明るいオレンジ色をしています。さらにビタミンCは通常の6倍、葉酸は2倍の量を含んでいます。これまでにも遺伝子組み換え技術は、コメやジャガイモ、レタス、トマトなど、様々な農作物のビタミン強化に利用されていますが、単一の作物中で複数のビタミンを強化することに成功したのはこれが初めてです。
これらのビタミンの欠乏は途上国で様々な病気の要因となっています。そのため、スペインとドイツの研究者たちはこれらの複数のビタミン増強の組み合わせを目標に掲げたと、研究チームの代表者である、スペインLleida大学のPaul Christou氏は述べています。研究チームは、コメや大腸菌などに由来する5つの遺伝子を、南アフリカ共和国で広く栽培されている在来種のホワイトコーン“M37W”という品種に導入しました。Christou氏によると、在来種であるこのM37という品種は、“全くビタミンを含んでいない”品種です。
トウモロコシの栄養強化においては、従来の交配育種を使用した研究も進められているものの、遺伝子組み換え技術による成果を上回ってはいません。メキシコの国際トウモロコシ・小麦改良センター(CIMMYT)の研究者、Kevin Pixley氏は、「遺伝子組み換え食品に対する抵抗を考えたとき、貧しい農業生産者にとっては、従来の育種によるトウモロコシ栽培の方が好ましい事もあるでしょう。しかし、実用的なレベルに達するためには、遺伝子組み換え技術以外に選択肢がない場合があります」と述べています。
2008年 4月14日/GMO Safety
Spain: experience of Bt maize
<記事要約>害虫抵抗性(以下Bt)トウモロコシは現在のところ欧州連合で商業栽培が認可されている唯一の遺伝子組み換え作物であり、1998年からスペインで多く栽培されています。スペインの農家は9年にわたるBtトウモロコシ栽培の経験を持ち、2007年にはトウモロコシ作付面積の約17%に相当する7万5,000ヘクタールにBtトウモロコシの MON810系統が作付けられました。特に害虫(ヨーロッパコーンボーラー)の被害が激しい地域では、トウモロコシ作付面積の60%にまで達しています。
このほど「ネイチャーバイオテクノロジー」に発表された欧州委員会共同研究センターとコルドバの大学研究者らによる195軒のBt トウモロコシ栽培農家と184軒の非組み換えトウモロコシ栽培農家を対象にした調査によれば、2002年から2004年までの3年間で、特定の地域でBt トウモロコシ栽培農家は非組み換えトウモロコシ栽培農家より高い平均収益を得ていました。
特にサラゴサ州では1ヘクタール当たり122ユーロ(約2万円)の粗利益の増加が認められました。他の地域で統計的に有意な利益の増加は見られませんでしたが、その理由は主に必ずしも各地域の条件に適したBt トウモロコシ品種があるわけではないことと、地域ごとの害虫による損害の変動に起因すると推測され、Bt 農作物による生産利益はこれらの条件によって左右されることを示唆しています。
殺虫剤の平均散布回数は、非組み換えトウモロコシ栽培農家の0.86回に対しBt トウモロコシ栽培農家では0.32回でした。殺虫剤が一切使用されなかった畑の割合は、非組み換えトウモロコシでは42%でしたが、Bt トウモロコシでは70%でした。
農家がBt トウモロコシを選んだ理由は、害虫被害の軽減と高反収及び収穫後の菌の発生やマイコトキシン汚染レベルの低減による品質向上でした。一方、Bt トウモロコシを栽培しない農家の理由は、単純に変化を好まないというものがほとんどでした。
2006年12月20日/ISB News Report
Gene Flow from GE to Conventional Maize in Real Situations of Coexistence
ヨーロッパで共存のコンセプトは、「遺伝子組み換えでも非遺伝子組み換えでも有機作物でも、生産者が選んだ作物を自由に栽培できて然るべきであるという原則」に基づいています。このため交雑率についてもゼロを追求するのではなく、実現可能性のある現実的な数値として、欧州委員会は食品と飼料の遺伝子組み換えトウモロコシのGM表示に関する閾値である「0.9%」を考慮しながら、各国が個別に共存の方策を確立するよう勧告しています。これまでの圃場試験から、1ヘクタール以上の非遺伝子組み換えトウモロコシ圃場であれば、隣接の遺伝子組み換えトウモロコシの畑から20〜25メートルの隔離距離をとることにより、収穫物への純度を0.9%以下に担保できることが示されています。しかし、これらの試験結果は果たして現場で応用されることが可能なのでしょうか?
今回の報告では、スペインの2ヶ所の従来のトウモロコシ畑でその検証が行われました。その結果、平坦で風の強い地域の平均2ヘクタールという小さな畑(花粉の飛散の制御がもっともむずかしい条件)においても、10〜20メートルの距離があれば非遺伝子組み換えトウモロコシへの遺伝子組み換えトウモロコシの混入を0.9%以下にできるとされています。この結果は、これまでの圃場試験の結果とも合致し、異なる地形や気象条件のもとでの花粉の飛散と隔離距離に関するモデルの検証へも新しい知見を与えています。
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