- カナダ・EU 遺伝子組み換え作物貿易に関するWTO紛争を解決
- 欧州食品安全機関(EFSA)が、遺伝子組み換えトウモロコシMON810の安全性を再承認
- EUの7カ国が遺伝子組み換え作物を栽培しています
- EU、モンサント・カンパニーの遺伝子組み換え大豆の輸入を承認
- 「消費者は遺伝子組み換え食品を受け入れています」と英国の全国農業者組合が
EUの消費者調査を引用 - 遺伝子組み換え研究がEUに圧力をかける
- 消費者の遺伝子組み換えに対する態度は軟化しています
- 遺伝子組み換え作物に決して反対ではないEU
Canada, Europe End WTO Dispute on GMO
http://news.morningstar.com/newsnet/ViewNews.aspx?article=/DJ/
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<記事要約・抜粋>
オタワ発:7月15日、カナダのStockwell Day国際貿易相は、カナダ政府と欧州共同体(EC)が、バイオテクノロジーを用いた製品、及び遺伝子組み換え生物の認可と商業利用関するWTO紛争を終結させることで同意したと発表しました。この紛争は6年もの間続いてきました。
紛争の終結は、ヨーロッパ市場におけるカナダの遺伝子組み換え農作物、特にカノーラ種子の市場アクセスが改善されることから、Day氏は今回の紛争終結は前進であると述べています。
Day氏は声明の中で「カナダのカノーラ生産者にとって、ヨーロッパ市場へのより確実な市場アクセスが可能になりました。」と述べ、この長期に及んだ紛争の終結にあたり、「カナダとEUの両国は市場アクセスを改善し、不必要な貿易摩擦を回避するために、バイオテクノロジーに関する対話を継続していく事を約束しました。」と発表しました。
カナダとヨーロッパの当局関係者は、今後年に2回の会合を設け、バイオテクノロジーと農業貿易問題について論じる予定です。
2003年、カナダ、米国、アルゼンチンは、欧州共同体における遺伝子組み換え作物承認の遅延について、各国が個別に WTOへ異議申し立てを開始しました。ヨーロッパ諸国が遺伝子組み換え作物の輸入制限を始める前の1994年には、カナダ産カノーラのEUへの輸出額は4億2,500万カナダドル(1ドル90円として382億5,000万円)でピークに達していました。
EU scientific authority says GM maize is safe
<記事要約>
EUの食品リスク評価機関である欧州食品安全機関(EFSA)は6月30日、現在ヨーロッパで栽培が認められている唯一の遺伝子組み換えトウモロコシMON810について、従来のトウモロコシ作物と同様に安全であるとの意見を出しました(訳注:MON810は1998年に旧EU法の下で栽培認可を得ましたが、この認可は10年間の期限付きであったため、EFSAによるMON810の安全性評価が再び行われたものです)。これにより、数カ国のEU加盟国が提起していたMON810の安全性に対する疑問が払拭されました。
EFSAが公表したこの意見は、遺伝子組み換え食品を巡ってEU加盟各国や行政機関が分裂する事となった、政治色の濃い再調査に終止符を打つものです。(訳註:EFSAは科学的プロセスに基づいてEU全体の食品等の安全性評価を行う機関です。今回のEFSAの意見を基に、今後はEUの行政執行機関であるEC (欧州委員会)において審議がなされ、その上でMON810の再認可がなされます。またECによるMON810の認可は、EU加盟各国が独自に発動可能なセーフガードとは、独立したものです)
国レベルでセーフガード条項を発動してMON810の栽培を差し止めているフランス、ドイツなど加盟6カ国においては、MON810に対するセーフガードを緩和する方向に影響する可能性があります。
MON810 はトウモロコシ害虫、アワノメイガを防除するタンパク質を生産します。このトウモロコシ品種は、EUのトウモロコシ栽培面積の1パーセント以下でしか栽培されていませんが、ヨーロッパでの栽培認可を得た最初の遺伝子組み換え品種であるため、遺伝子組み換え作物に関するより広範な論争において注目されてきました。
今回のEFSA の安全性評価については、その方法や客観性について、審査が終了する前から大きな注目を浴びてきました。先月には、フランス、ドイツ、オーストリア、ギリシャとハンガリーを含めて12の加盟国が、オオカバマダラチョウに対する影響も含めてMON810 に関する科学的な疑問を提起し、今回の結論に先立ってEFSA へ書状を送っています。一方でEFSA は6月30日の報告書において、MON810がこのような昆虫種に悪影響を与える可能性が非常に低いことが確認されているとし、「MON810 は人間と動物の健康に対する潜在的な影響に関して、従来のトウモロコシ品種と同様に安全です」と付け加えました。
EFSA公式サイト(英文)
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902628240.htm
2009年2月11日/Reuters
Seven EU States Now Growing GM Crops, Industry Says
<記事要約>
ISAAA(国際アグリバイオ事業団)報告書によれば、昨年EU内7カ国で遺伝子組み換え作物が商業栽培されました。2008年にEU全体で遺伝子組み換え作物の栽培面積は10万7,719ヘクタールに達しました。今までのところ、EU内で栽培されている遺伝子組み換え作物は、米国のバイテク企業モンサント・カンパニーが開発した害虫抵抗性トウモロコシMON810一種類だけです。
アワノメイガに抵抗性があるため害虫抵抗性(Bt)トウモロコシとして知られるこの品種は、1998年に初めてEUで認可されました。ISAAAによれば、2007年にはEU7カ国、8万8,673ヘクタールで栽培されました。2007年にはフランスでも当初MON810が作付されていましたが、フランス政府が2008年度の作付を禁止したため統計からは除外されることになりました。
遺伝子組み換え作物の栽培でEUをリードしたのは今回もスペインで、2008年にも大きな面積で遺伝子組み換え作物が栽培されました。
ISAAAの報告書には「スペインは過去11年間順調に害虫抵抗性トウモロコシを栽培している、欧州を代表する遺伝子組み換え作物栽培国です」と記載されています。同報告書によればスペインの生産者は2008年に7万9,300ヘクタールの害虫抵抗性トウモロコシを栽培しました。次いで多いのはチェコ共和国の8,380ヘクタールとルーマニアの7,146ヘクタールです。この2カ国では2007年と比べ栽培面積が大きく増加しました。
ISAAAによれば、昨年の世界の遺伝子組み換え作物の栽培面積は2007年から9.4パーセント上昇し、1億2,500万ヘクタールになりました。最大の栽培国は米国で、アルゼンチン、ブラジルがそれに次いでいます。
一部の環境保護団体は「バイテク企業はメディアや政治家に遺伝子組み換え作物が成功していると思わせようと統計を水増ししている」とISAAAの統計の信頼性に疑念を投げかけていますが、ISAAAによればこの統計は実際にはむしろ控えめなもので、また信頼できるソースから幅広く集められたデータだということです。
ISAAA報告書の著者Clive James博士はロイター通信社に対し、「ISAAA報告書で発表されている統計は規制当局やその他官民双方の組織を含む広範囲の情報源からの、総合的かつ世界的なデータベースに基づいています」と話しています。
2008年12月4日/Dow Jones
EU Approves Monsanto Genetically Modified Soybean For Import
<記事要約>
2008年12月4日、欧州委員会は、モンサント・カンパニーが開発した遺伝子組み換え大豆Roundup Ready(ラウンドアップ・レディー)2を承認しました。この承認はEUへの輸入認可の最短記録でした。今回の認可は今後10年間有効です。農業生産者と一部のEU当局者は、バイオテクノロジー製品に対するEUの複雑な承認プロセスにより、家畜飼料の重要なタンパク源である輸入大豆を生産者が入手できなくなることを懸念してきました。
Roundup Ready2大豆は、モンサント・カンパニーの主要な新製品で、来期には米国で100万エーカー(約40万ヘクタール)以上作付される見通しです。モンサント・カンパニーは、EUへ大豆を多く輸出しているブラジルとアルゼンチンでの栽培認可を得る手続きを進めています。
Roundup Ready2大豆は、Roundup Ready大豆と同様に除草剤グリホサートに耐性を持ちますが、第一世代よりも収量が7-11%高いのが特徴です。
2008年10月21日/National Farmer's Union
Shoppers say yes to GM
EUの消費者調査を引用
<記事要約>
最近行われたEUの調査によると、ほとんどの消費者は買い物の際に遺伝子組み換え食品を避けていないことがわかりました。
10月9日に発表されたEUの「消費者選択」調査によれば、マスコミによる否定的な報道にもかかわらず、消費者には遺伝子組み換え食品を買うことに対して懸念がありません。
この調査の目的は、2003年9月に法が制定されヨーロッパで遺伝子組み換え食品表示制度ができた今、遺伝子組み換え食品に対する消費者の行動と態度を明らかにすることでした。
この調査が実施されたのは、チェコ共和国、エストニア、オランダ、ポーランド、スペイン、英国、ドイツ、ギリシャ、スロベニア、スウェーデンの10カ国で、これらの国では「遺伝子組み換えを使用」または「遺伝子組み換えを含まない」と表示された食品が市販されています。
調査結果によれば、ヨーロッパで市販されている遺伝子組み換え食品は多くありませんが(およそ69品目で、そのほとんどが大豆を原料に含むもの)、遺伝子組み換え食品が店頭に出回ってさえいれば、EUの消費者に購入されていることがわかりました。(※編集註:報告書によればGM表示食品を購入した消費者の48%が表示を特に意識せず購入しており、調査を行ったKing College London のVivian Moses教授は「この研究成果が、世論調査の結果に反して、大部分が店頭では積極的にGM食品を避けていないことを明らかにしている」と述べています。報告書全文はこちらからダウンロードできます。http://www.kcl.ac.uk/schools/biohealth/research/nutritional/consumerchoice)
欧州議会で議論を牽引した英国代表のRobert Sturdy氏は、遺伝子組み換えの問題は食料分野だけにとどまらず、エネルギー生産など広範囲で多方面にわたる影響を持っていると指摘し「我々は食糧生産とバイオ燃料作物について、現実的でバランスのとれた議論をしていかなくてはいけません。国家的、政治的にデリケートな問題であることは認識していますが、だからと言って避けて通ってもいいという理由にはなりません」と述べました。
この消費者選択の調査結果は、EUは遺伝子組み換えに対する政策を見直すべきだという機運が高まっている中で発表されました。EUの遺伝子組み換えに対する規制は世界で最も厳しいと言われています。
EU本部で、英国農業者組合は健全な科学と消費者選択に沿った政策をとるよう主張し、政策立案者に対し過度に政治問題化された議論がEUの農業生産者を縛っていると強調しました。
2008年9月11日/The Financial Times
GM study adds to pressure on Brussels
<記事要約>
2008年9月10日、欧州連合の科学技術調査研究機関である共同研究センター(JRC)は、遺伝子組み換え食品が健康に与える影響を調査した結果として、遺伝子組み換えされた原材料を含む食品は安全であると発表し、食品価格高騰に対応するため遺伝子組み換え作物の承認を急ぐよう、ヨーロッパ各国を促しました。(http://ec.europa.eu/dgs/jrc/index.cfm?id=2820&obj_id=232&dt_code=HLN&lang=en)
報告書は「長期的にみた潜在的な健康への影響についてはほとんど知見がない」ことを認めつつも、今日まで規制当局に認可された遺伝子組み換え食品による健康被害は認められず、アレルギーを引き起こしたという報告も一切ないとしました。
環境、農業委員会に所属するRobert Sturdy欧州議会議員は、報告書は欧州が遺伝子組み換え議論に関して「前進する」必要性を示したと述べ、「適切な科学的研究がなされるべきです。そしてそれが済んだら遺伝子組み換え作物を解禁すべきなのです」と語りました。 欧州では遺伝子組み換え作物の承認が遅れ、生産者は価格の高い非遺伝子組み換え用飼料に憤りを感じています。
Sturdy 氏は、保護貿易の観点から遺伝子組み換え作物に反対してきた国もあるとし、「特にフランスは、EU圏外から農産物が輸入されるのを阻止するため、遺伝子組み換え農産物を貿易保護の道具に使ってきました」と述べています。
しかし、英国の環境保護団体「地球の友」は、遺伝子組み換え作物がもたらすリスクについての科学界の議論を無視した報告書であるとし、「大変期待外れだ」と述べました。
37人の科学者グループは今年初め、Stavros Dimas欧州委員会環境委員に、遺伝子組み換え作物の安全性について「科学的なコンセンサスの欠如」があったと意見書を提出しています。
欧州食品安全機関(EFSA)は加盟国とリスク評価の方法について議論を重ねてきました。
バイオテクノロジー産業団体のヨーロッパ・バイオは、JRC報告書は遺伝子組み換え食品の安全性に関する「世論の誤解」を和らげるのに役立つだろうと述べました。3月に公表されたユーロバロメーターの調査では、ヨーロッパ人の約58%が遺伝子組み換え作物の使用に反対しています。しかしこの調査によって、人々が「情報不足」と感じていることもわかりました。
ヨーロッパの農業生産者団体COGECAのMarie-Christine Ribera理事は、EUには家畜飼料中の遺伝子組み換え成分を許可し、遺伝子組み換え成分を含む飼料を規制に違反せずに国境間移動できるようにする「差し迫った必要性」があるとして「私たちは、ほぼ10年間も認可を求め続けてきたのです」と述べています。
フランス、ギリシャ、ポーランドなど数カ国が遺伝子組み換え作物の栽培を全面禁止している状況ですが、EU加盟国は一貫した政策を取ろうと努力をしています。
2008年 3月17日/Farmers Guardian
Survey shows attitudes towards GM crops are softening
<記事要約>EU域内で行われた調査により、遺伝子組み換え作物(GMO)への消費者の態度が軟化してきていることがわかりました。
欧州委員会は、環境に対するEU市民の態度について調査しましたが、その一貫として遺伝子組み換え技術の農業利用(栽培)についての意識も調査されました。その結果は以下の通りです。
・ 遺伝子組み換え技術の農業への利用について不安を感じているのは 20パーセントです。2004年は24パーセントでした。80パーセントは心配がないと考えています。
・ 26パーセントが農業における遺伝子組み換えの利用について情報が少ないと考えています。2004年には40パーセントでした。
・ 遺伝子組み換え作物は「情報はまだ足りないが、心配は低い」と分類されています。
また回答者が環境問題で重要であると考えているのは以下の通りです。
・ 1位は気候変動で、2004年には47パーセントでしたが今回は57パーセントに上昇しました。
・ 2位は水質汚染で、47パーセントから42パーセントに減少しました。
・ 3位は大気汚染で、45パーセントから40パーセントに減少しました。
この調査について、農業・バイオテクノロジー委員会(ABC)のジュリアン・リトル博士は、産業界は「農業における遺伝子組み換えの利用についての懸念が減少したことに満足している」とコメントしました。さらに、
「重要なのは、人々が遺伝子組み換え技術に対する適切な情報にアクセスできることです。しかし、これらの関連項目への懸念の低さを見ると、遺伝子組み換えの利用に対する過剰反応が見当違いの動きであることがわかります」
「面白いことに、レポートは、遺伝子組み換えに関する懸念の少なくとも一部は情報の欠如と関係しています。ABCは英国内の技術利用に関するコミュニケーションを改善するよう尽力しています」と述べました。
2007年5月14日/The Monitor, Uganda
European Union not opposed to GM crops
<記事要約> AfricaBioと米国国際開発庁(USAID)の共催で南アフリカ共和国のプレトリアにおいて開かれたバイオテクノロジー・コミュニケーターズ・トレーニング・ワークショップに、ウガンダ、ケニア、マラウイと南アフリカからのジャーナリストと科学者が集まりました。そのワークショップでは、国際的に知られた農業バイオテクノロジー研究の専門家が、EUは遺伝子組み換え作物に反対しているとよく言われるが、遺伝子組み換え技術については受け入れており、アフリカの遺伝子組み換え作物のEUへの輸出を拒否することはないであろうと説明しました。「EUは遺伝子組み換えに反対しているとよく主張されるが、それは事実ではありません。すでにスペインをはじめフランス、チェコ共和国、ポルトガル、ドイツとスロバキアのEU6カ国が遺伝子組み換え作物を栽培しており、さらにいくつかの国が近々これに続くでしょう。アフリカの国々で栽培されそうな遺伝子組み換え作物は、トウモロコシ、大豆、ワタとキャッサバです。今現在はこれらのうちワタ以外はEUに輸出されていません。トウモロコシと大豆についても、いつの日かアフリカで十分に自給できるようになり、遺伝子組み換え作物の余剰分をEUへ輸出することになっても、全く問題はないでしょう」
AfricaBioの会長も、アフリカの科学者、農業研究組織と政治的指導者の大部分は遺伝子組み換え技術と遺伝子組み換え作物を促進していると説明しました。「エチオピアのアジスアベバで1月に開催されたアフリカ諸国連合サミットにおいても、各国のリーダーたちがバイオテクノロジー20年行動計画を採択しました。アフリカで遺伝子組み換え作物が栽培されない理由は、各国において遺伝子組み換え作物の生産を合法化するための規制制度がまだ準備の段階にあるからです」と会長が指摘しました。
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