- インド 高温耐性GMコムギの開発プロジェクトが始動
- 米国 多くのアメリカ人が、持続可能な生産が出来るならばGMコムギ製品を受容するとの調査結果
- 米国 オクラホマ大学法学教授「世界は遺伝子組み換えコムギへの投資を必要としている」と発言
- オーストラリア 遺伝子組み換えオオムギの試験栽培を西部で実施予定
- 生産業者団体が期待する遺伝子組み換え小麦
- 米国・カナダ・オーストラリアの小麦業界団体が、遺伝子組み換え小麦を同時期に
市場投入するにあたって、3カ国で協力するとの共同声明を発表 - 調査結果‐米国の小麦生産者は遺伝子組み換え小麦を求めています
- 新種の小麦粉によりパンが肥満対策の武器となり得るか
- オーストラリアの乾燥耐性小麦の試験で好成績
- グレンソーン農場の遺伝子組み換え試験栽培計画
- イスラエルの科学者が遺伝子研究で食糧危機と戦います
- オーストラリアは干ばつ耐性作物の開発を促進するでしょう
- スイス、チューリッヒ州で遺伝子組み換え小麦の試験栽培を認可
- オーストラリアの農民は遺伝子組み換えによる増産利益のチャンスを逸しています
- オーストラリアで遺伝子組み換えナタネ栽培可能に
ビクトリア州とニューサウスウェールズ州がモラトリアムを解除 - 遺伝子組み換え作物の開発に投資する農業省
- 南極からの遺伝子で霜害を防ぐオーストラリア生産者
- 政府が遺伝子組み換え作物の試験栽培を認可
- 農業生産者に希望を与える遺伝子組み換え作物の試験栽培
- オーストラリアでの遺伝子組み換えコムギの前進
- ドイツが遺伝子組み換えコムギの試験栽培を初めて承認
Global warming? Now wheat to beat heat
http://www.deccanchronicle.com/chennai/global-warming-now-wheat-beat-heat-214
<記事要約>
気候変動と地球温暖化が今後、農業に深刻な影響を与える事を懸念して、インドの科学者達は高温耐性のコムギ品種の開発プロジェクトを立ち上げました。
ニューデリーにあるインド農業研究所、国立植物バイオテクノロジー研究センターの理事でありこのプロジェクトの主任科学者Kailash Chandra Bansal博士は、ゲノミクス(ゲノム科学)と遺伝子工学の進歩によって地球温暖化に対処するための戦略を、科学者が提案する事を望んでいます。Bansalshi博士は、インド緑の革命の父であるM.S. Swaminathan教授がかつて行なった研究で、1℃の温度の上昇によって毎年6百万トンのコムギが収穫できなくなると指摘した事に触れ、以下の様に述べています。
「私達はSwaminathan 教授の調査結果を深刻に受け止めています。インド政府でバイオテクノロジーを担当する部署は、私たちの(訳注:遺伝子組み換えの)高温耐性コムギ品種の開発に青信号を出しており、研究は進行中です。地球の温度が1℃上昇する前に、新しいコムギ品種は完成している事でしょう。それは遺伝子組み換え品種のコムギで、通常のものと違いはありません。」
Survey suggests most Americans would accept 'sustainable' GM wheat
http://www.foodnavigator-usa.com/Financial-Industry/Survey-suggests
-most-Americans-would-accept-sustainable-GM-wheat
<記事要約>
食品技術への考え方を調べる国際食品情報会議(IFIC)の最新の調査によると、もしコムギが持続可能的に生産されるならば、米国の多くの消費者がGMコムギを使用した製品を受容することが示されました。
今回14回目を迎えたIFICの調査は750人の米国の成人を対象にし、最新の食品技術への受容状況を評価する調査を行いました。
GMコムギの商業的利用は少なくとも10年以上先となる可能性が高いものの、今回の調査では「GMコムギの利用が土地、農薬といった投入資源を節約することを可能にし、より多くの人々に食糧を供給するため持続可能な方法で生産されるなら、GMコムギを使用したパン、クラッカー、クッキー、シリアル、あるいはパスタなどの製品を購買する」と答えた回答者が、全体の80パーセントに及んだことを示しています。
また、「農薬の使用削減に役立つなら、GM技術を利用して作られた食品を買う」と答えた回答者は、全体の77%となりました。
IFICは今回の結果から「GMコムギが実際に商業利用が可能な状況となれば、これを用いた製品を受容する支持者がいるだろう」と述べています。
今回の調査では、GM食品が持続可能な農業や食料生産に貢献することを知ると、回答者のGM食品への受容がより上がる事が分かりました。
今回の調査では回答者の半数が「食料生産における持続可能性」についてある程度知っていると回答しました。2008年にはこの割合は41パーセント、2007年には30パーセントでした。
全米コムギ生産者協会、米国コムギ連合会、北米製粉協会および自営製パン業者協会を含む著名な北アメリカのコムギ業界団体は、コムギ産業は競争力の面で問題があると指摘しています。彼らは、コムギと他の農作物(訳注:GM作物が商業的に栽培されている農作物)との間には農家が栽培によって得られる純収益の格差が増大しており、コムギの競争力を改善するためにバイオテクノロジーを用いなければ、今後コムギ生産量は減少し続けるであろうとしています。
Kansas Wheat: University of Oklahoma Law Professor Says World Needs Investment in Wheat Biotechnology
http://www.grainnet.com/articles/Kansas_Wheat__University_of_Oklahoma
_Law_Professor_Says_World_Needs_Investment_in_Wheat_Biotechnology-92425.html
<記事要約>
2010年にカンザス州で作付けされたコムギ栽培面積は、トウモロコシと大豆の栽培面積を合計した数字よりも少ないと見積もられています。「コムギの栽培州」であるカンザス州にとっては、この数字は憂慮すべき事態です。
オクラホマ大学のDrew Kershen法学教授によれば、世界で最も広く消費される穀物であるコムギがカンザス州の主要作物であり続けるためには研究開発への投資が必要であり、最も重要なことはバイオテクノロジーへの投資です。
Kershen教授は4月9日、カンザス大学キャンパスで開催された「国際貿易と農業のための会議」に集まった人々に向け、開会の演説で「カンザス州と世界の農業」について語りました。
彼の演題「遺伝子組み換えコムギ-その過去、現在、そして挑戦的な未来」の内容は、トウモロコシとダイズに比べ米国のコムギ研究に対する投資額がとても小さいという事実に注目しています。
コムギは世界で、1日当たり摂取カロリーの20%を提供しています。2050年までに90億に増加すると予想されている世界の人口に対し、世界のコムギ生産量も同じペースで増加させなければなりません。しかし耕地面積を増やすことは不可能です。
Kershen教授は「持続可能性の強化」が現在のコムギ生産に必要であると説明します。またコムギ栽培が競争力を失った理由として、1つにはバイオテクノロジーへの投資の欠如、もう1つに才能のある若いコムギ育種家の不足を指摘しています。
Kershen 教授は次のように述べています。「私たちは、コムギ研究に参入したかもしれない多くの若い人々を失いました。彼らはコムギの代わりにバイオテクノロジー研究開発が進む農作物を扱い、素晴らしい仕事をしています」
しかしながら、すべてが失われた訳ではないとKershen教授は説明しています。
オーストラリアでは、バイオテクノロジーを用いて乾燥耐性コムギの研究が行なわれています。また中国では、世界中のどの国よりも多くの研究費が遺伝子組み換え作物の開発に用いられています。また米国企業も着実にバイオテクノロジーを用いたコムギの研究を進めています。バイオテクノロジーを用いたコムギの利点は、無視するにはあまりにも大きいと彼は説明しています。
遺伝子組み換えコムギが農業生産者に採用されれば、従来のコムギに比べて安全で、また環境負荷も低減されるでしょう。世界では遺伝子組み換えコムギに対する抵抗感は薄れつつあります。
Kershen教授は、遺伝子組み換えコムギの欠如はアメリカでも食糧安全保障上の大問題を引き起こすとし、次のように付言しています。
「米国で遺伝子組み換えコムギが採用されない本当のリスクは、コムギがマイナー作物になりロシア、オーストラリア、中国あるいは他の国からコムギを輸入する事態になることです」。
GM barley to be trialed in the west
http://www.abc.net.au/rural/news/content/201004/s2867197.htm
<記事要約>
オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)は、遺伝子組み換え(GM)オオムギの初の野外試験栽培を、西オーストラリア州で数週間以内に開始する予定です。
CSIROは昨年、GMコムギとGMオオムギの野外試験栽培をニューサウスウェールズ州の試験場で実施しました。今年はそれらの試験栽培を同国西部でも行なう申請をオーストラリア連邦政府遺伝子技術規制局(OGTR)に提出しています。
GMオオムギ3品種、コムギ11品種が、西オーストラリア州のコムギ栽培地域にある民間の農場において1ヘクタール程度の小規模な試験栽培を予定しています。
CSIROのMatthew Morell博士は、窒素利用を増加させるためにオオムギの遺伝子を組み換えたと、以下のように説明しています。
「用いた遺伝子は同じオオムギ由来の遺伝子ですが、根が窒素吸収と利用を増加させるように改変して、オオムギへ再導入しました」
OGTRはこの試験栽培への認可を与えるか否かの決定前に、申請についてのパブリックコメントを募集しています。
Biotech wheat to drive US wheat yield challenge
http://www.fwi.co.uk/Articles/2009/11/12/118742/Biotech-wheat-to
-drive-US-wheat-yield-challenge.htm
<記事要約>
米小麦生産者連盟CEOのDaren Coppock氏は、2018年までに米国の小麦反収を20%増加させる計画において、遺伝子組み換えの小麦が中心的な役割を担うだろうと述べました。
英国作物生産評議会の会議においてDaren Coppock氏は、米国における小麦栽培は大豆やトウモロコシ栽培に比べて利益が相対的に乏しく、小麦の栽培地域がこれらの作物から圧力を受けていると説明しています。一般的に大豆やトウモロコシの栽培が1エーカー当たり250-300ドルの純益をもたらすのに対して、小麦栽培ではこれが100ドルにすぎません。これは、遺伝子組み換え技術を採用しているトウモロコシと大豆の収量が、小麦の収量よりはるかに高いことが原因と述べています。
米国のいくつかの州では小麦の栽培面積が長期的に下落しています。小麦生産州として有名なカンザス州が、今や小麦よりもトウモロコシを多く生産しています。
Daren Coppock氏は、この小麦の生産面積の減少、また仮に小麦の反収が増加しなかった場合に2050年には世界で小麦の生産が毎年380万トン不足する、という可能性へ対処するために、「2018年までに小麦の反収を20%増やす事が私達の目標です」と述べました。その上で、「バイオテクノロジーは唯一の手法ではありませんが、解決手法の一つとなるでしょう。私たちが必要とするものを満たす、あらゆる技術が不可欠であると確信しています」と述べています。
市場の受容が遺伝子組み換え小麦の鍵である事は、彼も認めています。その上で「私たちは製粉業者、穀物貯蔵、輸出業者を含めて国内穀物取引のすべての部門と話をしてきた」と言います。中でも輸出業者の説得が最も難しかったとしながらも、承認された小麦品種に対する混入閾値の国際的なルール設定が達成可能なら、顧客には依然として選択権を与えられると、彼は期待しています。
彼が指摘するには、少なくとも10年の間、小麦には技術が欠けていました。Daren Coppock氏は、「除草剤耐性の小麦以外、あまり多くの研究が行われてきませんでしたし、私たちは除草剤耐性の小麦を、最初の遺伝子組み換え小麦品種として期待していません。干ばつ耐性、あるいは病害抵抗性がより望ましいでしょう」と述べています。
市場投入するにあたって、3カ国で協力するとの共同声明を発表
2009年5月14日/Farm Futures
"U.S., Canada, Australia to Collaborate on Synchronized Biotech Introduction in Wheat"
市場投入するにあたって、3カ国で協力するとの共同声明を発表
News&type=news&mod=News&mid=9A02E3B96F2A415ABC72CB5F516B4C10&tier=
3&nid=1BFA8BA49DFF4AAFA2E6353B69B421C9
<記事要約>
2009年5月14日、米国、カナダ、オーストラリアを代表する小麦の業界団体は、遺伝子組み換え小麦系統を同時期に市場投入するにあたり、3カ国で協力していくと発表しました。彼らは遺伝子組み換え小麦に関して、3カ国が協調して導入することが市場の混乱を最小限に抑え、3カ国すべてにとって最大の利益になる、と合意しました。
現在、遺伝子組み換え小麦の商業栽培は行われていません。小麦の主要な輸出先であるヨーロッパとアジアは特に、遺伝子組換え小麦について慎重な対応を求めてきました。
14日に発表された共同声明では、小麦における単位面積あたりの収量増加の傾向が、他作物と比較して遅い事を指摘した上で、3カ国全ての国で小麦の栽培面積が減少していること、そして食糧供給における小麦の重要性について強調しました。また遺伝子組み換え技術が、小麦生産が直面する農業経営上の問題への唯一の解決法でないことを指摘しながらも、この技術は3カ国の小麦業界が直面する大きな問題を解決するための「重要な要素」になり得ると合意しました。
今回の共同声明に署名したのは、米国は全米小麦生産業者協会、米国小麦連合会および北米製粉協会、カナダはカナダ穀物生産者協会、カナダ西部小麦生産者協会およびアルバータ州冬小麦生産者委員会、オーストラリアはオーストラリア穀物協議会、穀物生産者協会、および西オーストラリア州牧畜業者協会(株)でした。
声明の全文は、http://www.wheatworld.org/biotech もしくは、http://www.uswheat.org/biotechnology で参照できます。
2009年2月26日/Reuters
U.S. wheat farmers want biotech wheat - survey
idUSN2626246320090226
<記事要約>
全米小麦生産業者連盟(NAWG)が行った調査によれば、米国の多くの小麦生産者は、作物の様々な問題を克服し、他の作物との競争力を維持するために遺伝子組み換えを受け入れる考えを持っています。
またNAWGは、回答を寄せた農業生産者の3/4以上が、遺伝子組み換え小麦の商業化を支持する誓願を承認したと発表しました。
NAWGのCEOである Daren Coppockは、この調査の目的は科学者たちに農業生産者が世界的に物議をかもしている遺伝子組み換え小麦を受け入れる準備ができていることを示すことであり、「これは非常に強い、ポジティブな回答です」と述べています。
NAWGは2009年の1月と2月に、小麦作付けが500エーカー(200ヘクタール)以上及び全ての作物を合わせた作付け面積が1,000エーカー(400ヘクタール)を超える農業生産者約21,000名を対象に郵送によるアンケート調査を実施しました。
除草剤耐性遺伝子組み換え小麦の開発は5年前に計画されていましたが、市場の反応が否定的であるために中断されています。除草剤耐性小麦に関心を抱く農業生産者はまださほど多くありませんが、高温や低温、干ばつなどの環境ストレスに対して抵抗性があり、反収を増やす可能性がある遺伝子組み換え小麦への要望は強くなっています。
2008年7月18日/Telegraph
New flour means bread could fight obesity
view=DETAILS&grid=&xml=/earth/2008/07/18/scibread118.xml
<記事要約>ケンブリッジの国立農業植物学研究所は健康的な体重を維持しながら食事を楽しむのを助けるために、従来の品種に比べカロリーが低い遺伝子組み換え小麦を開発しました。この新品種はゆっくり消化されるため、満腹感を覚え易く食べ過ぎない効果もあります。
この小麦は酵素抵抗性デンプンとして知られる体内で分解されにくいデンプンを生産し、低いGI値 (グリセリン・インデックス:食材別に血糖値を上昇させる速さの目安を表す)を持つため、従来のデンプンよりもはるかにゆっくりと糖分を作ります。その性質は製粉・調理後も失われません。
研究者らは、パンやパスタのような一般的な小麦粉製品で新種の小麦が成分として使われることを希望しています。しかし、英国では食用として遺伝子組み換え作物を生産することは認められていないため、遺伝子組み換えを使わずにこの新品種を生産する方法も模索しています。
先月発表された統計によると、英国の小学校一年生の約23%が、太り過ぎか肥満体とされています。今後の20年で英国の女性の70%、男性の86%が太り過ぎとなり、健康障害により2050年までに450億ポンドの費用がかかると予想されています。
2008年6月18日/Monsters and Critics.com
Australians make progress with drought-resistant wheat
Australians_make_progress_with_drought-resistant_wheat
<記事要約>乾燥耐性の遺伝子組み換え小麦の試験栽培が良い結果を示したと、オーストラリアの科学者が発表しました。いくつかの系統が、乾燥条件下で非遺伝子組み換えの品種よりも最大で20%高い反収をもたらしたとメルボルンに本拠を置く分子植物育種共同研究センターが声明で述べています。
昨年試験された遺伝子組み換え小麦24系統のうち7系統が、同一条件の乾燥条件下で非遺伝子組み換えの対照群より高い反収をあげました。センターは、今後の2年間にわたり50系統の遺伝子組み換え小麦の試験栽培期間延長を規制当局に申請します。
「干ばつは、オーストラリア農業だけでなく世界的な大問題ですから、この結果は非常に有望な結果です」と、ビクトリア州第一次産業局のSpangenberg教授が声明で述べています。
2008年5月19日/Messenger Newspapers
GM crop plans for Glenthorne Farm
<記事要約>南オーストラリア州にあるアデレード大学は、30種類の遺伝子組み換え小麦と大麦の試験栽培を、オーストラリア連邦政府遺伝子技術規制局(OGTR)に申請しました。アデレード大学関係者によれば、この試験栽培は現段階では小規模ですが、乾燥耐性と糖尿病や結腸直腸ガンなどの病気予防に役立つヒトのための栄養改善を目的にしています。
早ければ、6月にもこの試験栽培が開始されることになります。
2008年 4月27日/The Jerusalem Post
Israeli scientists fight food crisis with gene research
pagename=JPost%2FJPArticle%2FShowFull
<記事要約>エルサレムのヘブライ大学遺伝学のJoseph Hirschberg教授は「遺伝子工学なしでは、世界が飢えてしまう」と信じています。「今日、飢えの原因の一つは食糧の片寄った分配です。実際には世界で約10%の食糧の余剰がありますが、偏りのために世界の貧しい人々にはそれを得る手段がありません。今、その解決手段の一つとして、遺伝子組み換え作物を利用し始めています」。
世界で毎年生産される6億トンのコムギの30%が病気や害虫の被害によって失われていると言うハイファの大学生物学のTzion Fahima教授は、耐病性と同時にタンパク質、鉄や亜鉛などの高い栄養価をコムギに付加する方法を捜しています。「我々は高栄養価のコムギと同様に途上国で栽培できる種子を育成しようとしています。しかし、インド、パキスタンと南米諸国を含めて、この研究が成果を挙げるまでには、まだしばらく時間が必要です。古典的な交雑育種による新品種作出は、10〜12年を要する非常に遅いプロセスです」。
米国ワシントンに本拠を置くHarvestPlusは、途上国で広く主食として消費されているコムギやコメのような穀物の栄養価を高めようとする科学者の集団で、Fahima教授も協力しています。「しかし、遺伝子組み換え作物は、環境保護団体、政治的な反対団体などからの反発に直面しました。これらのグループは 遺伝子組み換え作物に非常に否定的な認識を形成しています。このことは、ヨーロッパやタイなど東南アジアの国々で遺伝子組み換え作物の栽培ができない理由のひとつです」とHirschberg 教授は述べています。「環境保護団体が、遺伝子組み換え作物なしでは世界の食糧供給をまかなえないことを理解したとき、より速い進歩が来るでしょう」と Fahima教授は言っています。
Hirschberg教授によれば、遺伝子組み換え作物が健康に有害であるという主張は一度も証明されたことがありません。「イスラエルでは、種子を改良して生産を増やす研究が進んでいます。植物の新しい形質や遺伝子を見出す基礎研究も進んでいます。中国とインドは遺伝子組み換えワタの使用を普及しており、その生産量は2倍になりました。イスラエルは育種に強く、小麦についても、生産量を2倍にする研究開発が行われています」
2008年 3月1日/The Heartland Institute
Australia Will Promote Drought-Resistant Crops
<記事要約>トニー・バーク農業大臣は、オーストラリアで干ばつ耐性遺伝子組み換えコムギの開発が促進されるであろうと発表しました。バーク農相は、2001年からオーストラリアの農業生産者向けに行われている甚大被害救済のための30億豪州ドル(約2815億円)以上に及ぶ保険や財政援助をそのまま継続するのではなく、その代わりにケビン・ラッド首相が提唱する農作物に乾燥耐性を付与する開発支援に支出すると述べました。
オーストラリア全国農業生産者連盟の報道担当者は「10年以上経過しても、なんらの悪影響も見られなかった。これは、遺伝子組み換え作物への肯定的なこととして受け止めるべきである」とフランスのAFP通信に語り、オーストラリアの農業生産者が高温下で水分が少ない環境でも生育する作物の開発を支持すると強調しました。米国スタンフォード大学のヘンリー・ミラー氏は「遺伝子組み換え作物が世界的に普及することによって途上国での慢性的な不作とそれによる食糧不足を軽減した」と述べ、このオーストラリアの動きを歓迎しています。
2008年2月12日/Checkbiotech
Swiss grant permission to sow GM wheat in Zurich
<記事要約>チューリヒ州レッケンホルツの農業研究所で遺伝子組み換え小麦が試験栽培のために、この春から栽培できるようになりました。スイス連邦環境省(BAFU)はチューリッヒ大学とスイス連邦技術研究所(ETH)の申請を2007年9月3日に条件付きで認可しました。研究者たちは、この遺伝子組み換え小麦の品種に抗生物質耐性マーカー遺伝子が存在しない証拠を提出し、さらに緊急時対応計画を完了して、この必要条件を満たしました。
チューリッヒ大学の申請は、うどんこ病への抵抗性と小麦の近縁野生種との交雑可能性の調査を目的としており、ETH はさらに耐病性を強化した小麦の試験栽培を望んでいます。
2007年11月6日/Queensland Country Life
Aust farmers missing out on GM boost
<記事要約> オーストラリアにおける遺伝子組み換えナタネの影響に関する20以上の最近の調査をまとめた報告書が2007年11月6日、メルボルン大学から発表されました。それによると、遺伝子組み換えナタネがオーストラリアで商業栽培されたら、1億5,700万ドル(約170億円)相当のナタネなどの増産が見込まれ、経済的、また環境上の利益を生むだろうと予想しています。
遺伝子組み換えナタネは、世界の殆どのマーケットに非遺伝子組み換えと同等の価格で受け容れられており、10年以上前から遺伝子組み換えナタネを商業栽培しているカナダでは、生産量が40%増加し平均反収(または単位面積あたりの収量)も1996年から27%増えたのに対し、同じ期間でオーストラリアの平均反収(または単位面積あたりの収量)は10%下がっていることが示されました。
重要な調査結果は次の通りです:
*現在の栽培に加え、持続型農業を利用したナタネの栽培面積がオーストラリアで22万5千ヘクタール増加すると見られる。
*除草剤トリアジンの使用量が毎年640トン以上削減される。
*オーストラリアのナタネのヘクタール当たりの平均単収が1.17トンから1.28トンに増加する。
*年間29.5万トンのナタネの生産量増加が予想される。
ビクトリア州とニューサウスウェールズ州がモラトリアムを解除
<概要>
オーストラリアのビクトリア州とニューサウスウェールズ州は2007年11月27日、遺伝子組み換えナタネのモラトリアムを解除すると発表しました。これにより、これらの州のナタネ生産者にとって、来年、遺伝子組み換えナタネが初めて栽培可能になります。
オーストラリアでは、遺伝子組み換えナタネが規制当局(Office of the Gene Technology regulator)により、2003年12月に商業栽培の認可を受けていますが、2004年にナタネ栽培州は遺伝子組み換え作物のモラトリアムを発令しました。
このモラトリアムは、オーストラリアが遺伝子組み換えナタネの栽培を行うことによって輸出市場を失うのではないかとの懸念により発令されたものでしたが、過去数ヶ月にわたり、州政府がモラトリアムの再考を行っていました。その結果、遺伝子組み換えナタネを栽培することによって、オーストラリアの生産者の市場での選択肢を提供しつつ、ほかのナタネ生産国の生産者との競争力を高めていくことを可能にするという結論に達しました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
遺伝子組み換えナタネのモラトリアムを解禁したビクトリア州政府やニューサウスウェールズ州政府も27日に、John Brumby首相やJoe Helper農業大臣のコメントなどを紹介するプレスリリースを発表しています。この中では特に生産者と消費者の「選択の権利」が強調されてています。
<州政府リリースの概要>
4年間にわたるモラトリアム期間が解除され、ビクトリア州政府の生産者に栽培するナタネの種類を選択する権利が確保されたと、本日John Brumby首相が発表しました。
首相はこの中で、「ビクトリア州とニューサウスウェールズ州は、アメリカやカナダと同じく生産者に栽培するナタネの種類の選択肢を確保することにしました。遺伝子組み換えナタネの栽培が経済面、また環境面で有益だと思う生産者は栽培できるのです」とコメント。さらに、オーストラリア国内で遺伝子組み換えワタが栽培されたことにより殺虫剤の使用が75%減少していることから、遺伝子組み換えナタネの栽培により不耗起栽培が増加、土壌流出が減少し、また農薬の使用量の減少をもたらすであろうと指摘した上で、「この決断はビクトリア州の生産者を海外の生産者と同じ土俵に引き上げると同時に、環境面でも大きなメリットをもたらすであろう」とコメントしています。
またJoe Helper農業大臣は「ビクトリア州の食糧輸出高はオーストラリア全国の4分の1、57億5千万ドルであり、またオーストラリアの総農業生産量の23.7パーセントを占めています。我が州は今後もこの強い数字を維持しなければなりません。ACILの経済分析によれば、モラトリアム解除後8年間で利益は1億1千5百万ドルまで上がるとみられています。遺伝子組み換えナタネは、他の作物に影響を与えることなく安全に栽培できることがわかっていますし、ビクトリア州のチーフサイエンティストSir Gustavのレビューでは非遺伝子組み換え作物を育てる生産者に対し、遺伝子組み換え作物と非遺伝子組み換え作物を効果的に分離できることが保証されています」と述べています。
なお、ビクトリア州政府は2007年5月に有識者を招集し、モラトリアムについて協議しました。また独立委員会がモラトリアムを継続した場合と解除した場合のリスクと利益を検討しました。また、ニューサウスウェールズ州政府も3名のメンバーによる検討委員会を設置して同様にモラトリアム解禁について検討を進めてきました。今回の結果はこうしたことに基づいた措置ということになります。遺伝子組み換えナタネは2008年の栽培シーズンから栽培可能となります。
ビクトリア州政府リリースは以下でご覧いただけます
http://www.dpc.vic.gov.au/domino/Web_Notes/newmedia.nsf/8fc6e140ef
55837cca256c8c00183cdc/29067fb82f32a2a2ca2573a000819938!OpenDocument
ニューサウスウェールズ州政府リリースは以下でご覧いただけます
http://www.dpi.nsw.gov.au/aboutus/news/recent-news/agriculture-news-releases/
choice-given-to-nsw-farmers
2007年12月27日/Yemen Times
Ministry of Agriculture to invest in genetically modified crops
<記事要約> 中東アラビア半島にあるイエメン共和国の農業省は遺伝子組み換え小麦の種子を生産・供給するために1億リヤル(約5,500万円)を投資しました。この投資は、ハドラマウト県で着手された試験において、遺伝子組み換え小麦の反収が70〜77%高いことが証明されたことを考慮して決定されました。この措置の狙いは、イエメンの食糧安全保障を改善し小麦の輸入量を減らすことです。
2007年10月19日/The Age
Frost-wary farmers draw on Antarctic genes
-antarctic-genes/2007/10/18/1192300954225.html
<記事要約> 分子植物育種のための官民学協同研究センター(CRC)は、耐霜性コムギ品種を開発するために、南極大陸の水草(hairgrass) 由来の遺伝子導入を計画しています。この開発は、生産者グループが設立したGreen Blueprint International(GBI)社の依頼によるものですが、GBI は研究資金2百万豪ドル(約2億円)を調達するために事業計画書を提出しています。
霜の影響によって、穀物によっては、反収が半分に減ってしまいます。導入される遺伝子は、植物体内で氷が大きな結晶になるのを抑制するタンパク質を作ることによって霜の害を防ぎます。氷の再結晶化を抑止するタンパク質の遺伝子は、この南極の植物特有のものではなくコムギやオオムギにも存在しますが、この植物由来の遺伝子が最も良く氷の再結晶化を抑制すると研究者は期待しています。
西オーストラリア州ではすでに75人の農家が計画に参加し、100人の投資家から一人当たり約2万豪ドル(約200万円)の資金提供を受けることを目指しています。GBI の最初の投資は、コンセプトを証明するための研究資金となり、さらに同額の投資が、技術を次のレベルに導くため必要とされるでしょう。GBIは、オーストラリア初の干ばつ耐性遺伝子組み換えコムギの試験栽培も行っています。
2007年 9月4日/Swissinfo
Authorities give GM crop trials the green light
Authorities_give_GM_crop_trials_the_green_light.html?
siteSect=105&sid=8168714&rss=true
<記事要約> 2007年9月4日、スイス連邦環境省は、チューリッヒ大学と連邦技術研究所の科学者たちの管理運営によるカビ病に抵抗性の遺伝子組み換えコムギの野外栽培試験3カ所について認可を与えました。この試験栽培は病害抵抗性が圃場でも発揮されることを確認するほか、従来の小麦や雑草との交雑の可能性等をみるために、スイス政府科学財団(Swiss National Science Foundation)の出資のもと、チューリッヒ市と西部ローザンヌ市の近郊において2008年から2010年にかけ実施されます。
スイスでは、2005年(11月)の国民投票により遺伝子組み換え作物の(商業的)利用には5年間のモラトリアムが課せられていますが、研究は認められています。国内では遺伝子組み換え作物に対する根強い反発もあることから、栽培作物はフェンスで囲われ、他の小麦との隔離距離を300m設けるなど、試験栽培は厳しい条件が付けられていますが、試験を実施するチューリッヒ大学の研究者らは「この試験が、遺伝子組み換え小麦が栽培された際の環境影響に対する懸念に応えるものとなると期待している」と述べています。
2007年4月18日/The Age
GM trial sows hope for farmers
<記事要約> オーストラリアのビクトリア州で初の遺伝子組み換えの乾燥耐性小麦の試験栽培計画における州政府の提案に対し、連邦政府から肯定的な回答が得られました。これによって、試験栽培がこの数週間かのうちに始まると期待されています。
試験栽培は、遺伝子組み換え小麦と他の小麦品種やほかの植物との隔離ゾーンやウサギの侵入を防ぐことなどを条件に、認められるようです。
この試験栽培は、何年間も干ばつに苦しめられてきた州北西部の小麦生産者の将来を保証する試みの一つです。州農業大臣の報道官は、オーストラリアの気候変動による影響と頻発する干ばつに対応するいくつかの対策を試みていると話しています。
2006年12月26日 /Farm Futures
Australian State Moves Forward with Biotech Wheat
長期にわたる干ばつに悩まされているヴィクトリア州は、乾燥耐性の遺伝子組み換えコムギの栽培試験を申請しました。遺伝子技術規制局(OGTR)がこの申請を認可すると、遺伝子組み換え作物の試験栽培としてはオーストラリアで7番目、そしてコムギでは初めての栽培試験となります。
計画では、30系統の遺伝子組み換えコムギを0.225ヘクタールの試験圃場で栽培する予定です。すでに、中東原産の近縁種で丈夫な山羊草(goat grass)の特性を使って非遺伝子組み換えの乾燥耐性のコムギの開発に成功していますが、遺伝子組み換え育種のプロセスによって、乾燥耐性のコムギの開発をより早めることが可能になります。
2006年11月28日/Reuters
Germany permits first trial GMO wheat plantings
=13944&start=1&control=182&page_start=1&page_nr=101&pg=1
ドイツ政府は、タンパク質の量を増加させた遺伝子組み換えコムギの試験栽培を承認しました。ドイツ食品安全庁(BVL)は、この遺伝子組み換えコムギのリスク評価した結果、屋外での試験栽培がヒトや動物または環境に悪影響を与えないと判断し、東部ドイツLeibniz農業研究所の圃場約1,200平方メートルにおける試験栽培を認可しました。
ドイツでは、他の欧州諸国と共にすでに遺伝子組み換えトウモロコシが商業栽培されています。また、政府は、今年遺伝子組み換えのオオムギと遺伝子組み換えのジャガイモに対しても同じように野外での試験栽培を承認しています。
記事内に記載のURLは、記事を作成した当時のURLです。現時点でこれらへのリンクは必ずしも有効ではありませんことをご了解ください。

