- オーストラリア 遺伝子組み換え塩分耐性イネの可能性
- 中国 遺伝子組み換えイネの商業栽培が間近
- 中国 遺伝子組み換えイネとトウモロコシの栽培認可へ前進
- 中国 遺伝子組み換えイネの商業化認可が最終段階へ
- フィリピン 食糧安全保障のため、遺伝子組み換えイネを推進
- スイス 鉄分を強化した遺伝子組み換えイネ
- 遺伝子組み換えイネは、肥料と水の使用量を減少させつつも、50%の収量増
- 遺伝子組み換えで東南アジアのイネの病害を抑制する可能性
- 韓国は遺伝子組み換え作物分野で進歩を遂げます
- ヒ素の吸収を抑制するイネがコメ不足を緩和させるかもしれません
- フィリピンで初のゴールデンライスの野外実験がはじまりました
- 遺伝子工学がコメの生産を増やすと専門家は述べています
- 科学者が水の必要量が20%少ない新しい遺伝子組み換えイネ品種を開発
- 「ゴールデンライス」の商業化が注目されています
- 研究結果:コメのコレラワクチンが貧しい国に新しい希望を与えます
- 抗酸化レベルを引き上げる?フラボノイドを増やした遺伝子組み換えコメ
- コメ戦争:中国の農業エコノミストが組み換え種子の奨励を後押し
GM rice claim
http://www.thehindu.com/news/international/article625471.ece
<記事要約>
オーストラリアの科学者たちは、塩害の影響を受ける地域におけるイネ生産量増加を促進する塩耐性の遺伝子組み換えイネを開発したと説明しています。
科学者たちの報告によると、(訳注:この技術は)すでに世界中の何十億という人々に役立つ様に、コムギ、オオムギ、その他の主食にも転用可能となるものです。
この研究は、アデレード大学の科学者が、カイロ、コペンハーゲン、メルボルンを拠点とする科学者と協力して行われました。この耐塩性イネでは、根の部分に塩分を閉じ込め、茎葉部での塩分蓄積を減少させる事で耐塩性を高めるという、新しい技術を用いています。
アデレード大学の研究員、Darren Plett博士は、「我々の研究成果の前進は世界中、特に塩害が問題となっている地域でのコメ生産を高める可能性を与えるもの」と述べ、次のように付け加えました。「コメは塩分が高めの土地で栽培される事がありますが、塩分濃度が高い土地では収穫量が少なく、食糧供給が脅かされる可能性もあります。このため耐塩性(の研究開発)は、世界の食糧生産の安定に益々重要な要素となっています」
Gene rice on its way in China
http://www.newscientist.com/article/dn18328
<記事要約>
中国では遺伝子組み換えイネ(GMイネ)の商業栽培に道が開かれ、早ければ来年にも農家での商業栽培が開始される可能性があります。そうなれば中国は、世界で初めてGMイネ品種を商業栽培する国になります。GMイネに関して、2009年11月の中国規制当局による安全性認可に続いて、イネの新品種登録に必要とされる栽培試験が進行中です。
Huahui 1、Bt Shanyou 63と名付けられた2つのGMイネ品種は認可(訳注:品種登録に関する認可)を受けた後に、今後2年以内に上市される事になるでしょう。両品種は、中国で最も深刻なイネの害虫であるニカメイガの被害を受けないように、土壌中の微生物が作り出すBtタンパク質を産生する品種です。
北京、中国科学院中国農業政策センターのJikun Huang理事は、「これら2つの害虫抵抗性イネの大規模な生産が、中国の主要コメ産地である湖北省で2011年に始まると思います」と述べています。
湖北省で成功すれば、この2品種が中国の他地域でも迅速に商業栽培が許可されるだろうとHuang氏は予想しています。
これまでの試験の結果、商業化の準備が整ったこの2品種を含めて、GMイネ品種の栽培が貧しい農業生産者の生活に貢献することや、有害な殺虫剤への暴露を減少させることなどが示されています。
China gives go-ahead for planting of GM rice and maize
http://www.gmo-compass.org/eng/news/477.docu.html
<記事要約>
数年以内に、中国は遺伝子組み換え(GM)植物の大規模な栽培を始めるでしょう。ロイター通信の報告によると、中国農業省のバイオセーフティ委員会は遺伝子組み換えイネとトウモロコシの商業栽培を認可しました。これらの作物は、中国の研究チームによって開発されたものです。
フィリピンにある国際イネ研究所(IRRI)の最高責任者Robert Ziegler氏はロイター通信に対し「中国のBtイネの認可によって、(訳注:遺伝子組み換えイネの開発を行なう)他の国々にとっても、同様の道を辿ることが非常に容易になった」と述べています。国際イネ研究所では、主に小規模農家を対象に数種類の遺伝子組み換えイネ品種を開発しています。
また、中国政府は、国立研究所が開発した遺伝子組み換えトウモロコシ品種の栽培も認可しました。このトウモロコシは、新たに導入された遺伝子の働きによって、フィターゼという酵素を作物内に作り出します。フィターゼは、豚や家禽など非反芻動物がトウモロコシを主体とした飼料を食べた際に、飼料に含まれるリン酸の消化を促進します(訳注:このため、飼料の効率がよくなると同時に、飼料へのリン酸の添加を抑える事が出来ます)。このため、堆肥や畜舎の排泄物がリン酸塩で悩まされることが少なくなり、環境への負荷も軽減されます。
今回の認可について中国政府は、農業分野における遺伝子工学の利用は、土地や水といった資源の不足が深刻化する中でも、自給自足によって国民を養うための取り組みであると、繰り返し強調しています。中国政府は、穀物生産を2020年まで毎年8パーセントずつ高めることを目標としています。中国政府は、遺伝子工学によって新しい特徴を持つイネ、トウモロコシ、コムギを開発するために、20億ドルを費やした研究プログラムを開始しています。
Btイネとフィターゼトウモロコシの大規模栽培は2〜3年で始まると思われます。
'GM' rice may join the menu
http://www.chinadaily.com.cn/china/2009-08/25/content_8611098.htm
<記事要約>
中国では、害虫抵抗性と食味の良さを改良した遺伝子組み換えイネの商業化が近づいています。中国の政府関係者は8月24日、遺伝子組み換えイネ品種を販売するための最終認可が近いと発表しました。
中国政府はこれまで、遺伝子組み換えイネの生産や販売を許可して来ませんでした。しかし専門家の指摘では、昨年から遺伝子組み換え食品に対する態度が大きく変わりました。中国政府のNiu Dun農業副大臣も同日に「中国は遺伝子組み換えイネの研究を進めており、これは商業化を強く意識したものです」と述べています。
昨年7月、中国国務院は遺伝子組み換え食品の研究開発プロジェクトを承認しました。中国の政府関係者は、2020年までに中国が遺伝子組み換え食品や、クローニング、トランスジェニック技術、そして新品種の普及のリーダーになり得ると述べています。その中でも、イネとトウモロコシは商業化に最も近い品目です。
中国農業政策センターによれば、遺伝子組み換えイネによって殺虫剤を約80パーセント削減し、反収を約6パーセント増加させることができる可能性があります。
中国は現在、年間約5億トンのコメを生産しています。しかし2020年に16億人に達すると予想される人口の増加に対処するためには、年間6億3千万トンのコメ生産が必要とされます。
中国国立ハイブリッドイネ研究開発センターの研究者Cao Mengliang氏は「技術の安全性に関する研究は終わっており、市場に導入するかどうかの議論が最終段階にあります。商業生産に必要とされるのは、安全証明書だけとなりました」と述べています。
Philippines gung-ho about GM crops
http://economictimes.indiatimes.com/News/Economy/Agriculture/
Philippines-gung-ho-about-GM-crops/articleshow/4907134.cms
<記事要約>
フィリピンでは遺伝子組み換えトウモロコシが既に商業栽培されていますが、フィリピン政府は次の作物として、ビタミンAを強化した遺伝子組み換えイネ(ゴールデン・ライス)を導入する予定です。
政府が出資するフィリピン・イネ研究所(Phil Rice)の Ronilo A Beronio専務理事は、遺伝子組み換え作物がフィリピンにとって食糧安全保障への解決策と述べています。「私たちは2013年までに国内での食糧自給を目指します。フィリピンでは年間1,680万トンの米が生産されますが、国内の需要量から見て15%ほど、生産量が不足しています。フィリピンの食糧安全保障を達成するためにも、遺伝子組み換え作物は重要な役割を果たすでしょう。フィリピン政府はこの食糧安全保障プログラムに、2億5000万USドル(日本円で約250億円)を準備しました」。
フィリピン・イネ研究所は、60種以上もの高収量イネ品種を農民に供給しています。また、ゴールデン・ライスの2品種の開発も同様に進めており、2011年には農家へ供給される見通しです。「フィリピンでは遺伝子組み換えイネが広く理解され、容認されています。調査では69%の農民がバイオテクノロジーによって栄養分が強化された遺伝子組み換えイネを容認し、25%の農民が条件付きで受け入れる事が分かっています。遺伝子組み換え作物はヒトの健康に有害なのではないか、として拒否した農民は6%でした。しかしゴールデン・ライスの商業化には、厳しい規制プロセスに合格することが必要でしょう」Beronio 氏は、このように述べています。
Beronio 氏によると、ビタミンAの豊富な遺伝子組み換えイネは、フィリピンのようにコメを主食とする国で、ビタミンA欠乏症(VAD)の解決に貢献する可能性があります。世界でビタミンA欠乏の影響を最も受けているのはアジア人と考えられており、アジア人は全カロリー摂取量の50-80%をイネに依存しています。ビタミンAを強化したコメは、ビタミンAサプリメントなどと比較しても、遠い地域へも届けること出来ます。(訳注:コメ中のビタミンAは常温でも安定して保存でき、保冷設備の必要がないため、電気がない地域でも保管・輸送が可能なため)
ゴールデン・ライスとは別の話として、フィリピンの農業生産者たちはこれまでに、農業技術普及と農業投資によって、イネの単位面積あたりの収穫量(反収)を2倍にすることができました。Beronio氏によると、コメの平均反収はこの7年間でヘクタール当たり4トンから8トンに増加しました。このうち15%は農民の普及教育、20%が技術改良に起因したものですが、残りは高収量品種が広範囲に普及した事によるものです。他のコメ生産国の平均における反収の増加率が0.8%だったのに対し、フィリピンでは年に2.7%の反収増加を達成しています。
Scientists unveil iron-enriched super-rice
http://www.swissinfo.ch/eng/front/Scientists_unveil_iron_enriched_super_rice.html?
siteSect=105&sid=11020125&rss=true&ty=st
<記事要約・抜粋>
チューリッヒにあるスイス連邦技術研究所の研究者が、2つの遺伝子を加える事により、従来のイネ品種に比べて最高6倍の鉄分を含むコメを開発しました。研究チームはこのイネ品種が、世界中の発展途上国で大きな健康問題となっている、鉄分欠乏症との戦いを助けるのではと期待しています。
WHO(世界保健機構)によれば、鉄欠乏性の貧血は世界的に主要な病因の1つで、妊婦と子供たちが特に被害を受けやすく、その最大の原因は、食事中の鉄分不足です。世界人口の約半分が主食とするコメは、鉄分を穀粒の外側に含んでいます。このため熱帯や亜熱帯気候の地域では、貯蔵中の品質劣化防止のため穀粒を精米するため、コメの鉄分は精米から除去されてしまいます。
科学者達は穀粒内で鉄分を増加するように取り組みましたが、従来の育種技術では成功しませんでした。今回チューリッヒの科学者は2つの遺伝子を組み換えることで、最高で6倍の鉄分を穀粒中に持たせることに成功しました。この研究結果は、7月20日付のオンライン版 Plant Biology Journal誌.に発表されました。
これらの新品種が次のステップに進むには、フィリピン国際イネ研究所(IRRI)や産業界の参加が必要です。ビタミンAを強化したゴールデン・ライスの先例で明らかなように、遺伝子組み換え技術に対する規制を越えるためには、安全性研究に時間がかかります。
2009年4月9日/Manila Bulletin
GM rice yields 50% more harvest even with less fertilizer and water use
even_less_fertilizer_and_water_use
<記事要約>
従来より少ない肥料と水で、50%もの収量増が可能となる遺伝子組み換えイネは、乏しい資源による低収量や、気候変動の影響を受けて貧困に苦しんでいる農業生産者を救うための長期的な解決策であると考えられています。
この遺伝子組み換えイネは、太陽エネルギーの利用効率や二酸化炭素の固定、炭水化物の合成能力など、光合成能力を高めたものです。
多くのイネは光合成において、C3回路という、あまり効率的でない光合成回路を用いて光合成を行います。しかし国際稲研究所(IRRI)の遺伝子組み換えイネのプロジェクトリーダーであるJohn Sheehy博士によると、光合成効率の良いC4回路をイネに導入して利用することで、特に熱帯性気候の地域において、イネが太陽エネルギーを取り込む力を向上させ、より高栄養の米を収穫する事が出来ます。
Sheehy博士は、「イネの光合成回路をC4回路に換えることで、収量は50%増加し、水の利用効率も2倍に向上するでしょう。何十億もの貧しい人々がコメを主食とする発展途上国において、この前進がもたらす恩恵は計り知れません」と述べました。この研究には合計1,100万ドル(約11億円)が割り当てられました。
関連した研究開発として、IRRIのRobert Zeigler所長は、高収量イネの開発を加速させるため、イネ行動計画(RAP)には10年間で1億5,000万ドル(約150億円)、毎年1,500万ドル(約15億円)が必要だと述べています。RAPは2008年10月、東南アジア諸国の農林大臣たちによって承認されています。
2009年1月10日/ST. LOUIS POST-DISPATCH
Modified rice may resist disease in Southeast Asia
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<記事要約>
フィリピン、マレーシア、ベトナム、バングラデシュ、インド、タイなどの主要イネ栽培地域では、イネわい化病により毎年収量の約5~10%、金額にして15億ドル相当の損害が発生しています。
ドナルド・ダンフォース植物科学センターの研究者は20年間にわたりこの解決方法を模索していましたが、最近になって遺伝子組み換え技術によってイネがイネわい化ウイルスの感染に対して耐性のある特定のタンパク質を作り出すことを発見しました。
「ウイルスがどのように植物を病気にするのかを解明したことが突破口となりました。この技術は実験室や温室では既に効果が確認されています」と同センターのRoger N. Beachy会長は述べました。次のステップは野外での試験栽培です。また、同会長は「おそらく5年から10年はかかるでしょうが、目標はフィリピンなど東南アジアの育種家が私たちの品種を使い育種を行うようになることです。中国では遺伝子組み換えイネの試験栽培が進められていますが、現在のところ遺伝子組み換えイネの商業栽培を承認している国はありません」と続けました。
2008年11月28日/Arirang News
Korea Makes Strides in GM Organisms
<記事要約> 食糧不足や世界規模の食品価格高騰が予測される中で、バイオテクノロジー産業は世界が必要とする環境面・経済面での解決策をもたらすだろうと熱い期待が寄せられています。
例えば、「ゴールデンライス」は韓国で開発されている84の遺伝子組み換え農作物の一つです。韓国トウガラシの遺伝子組み換え技術を利用してイネに従来より多くのベータカロチンを与えることに成功し、それによってビタミンAが豊富なイネが生み出されたのです。ゴールデンライスは、国立農業科学アカデミー(National Academy of Agricultural Science)のHa Sun-hwa博士を中心とした研究チームによって開発されました。
「これまで遺伝子組み換え作物分野での主な関心事は、栽培の容易さ、耐病性、厳しい気候への適応性でした。しかし、現在我々は栄養分の追加、経口ワクチンの生産、治癒効果を持つ野菜タンパク質の生産など、バイオテクノロジーの応用範囲を拡大しています」と博士は述べています。
韓国で開発されている遺伝子組み換え作物には、他に乾燥耐性ジャガイモ、ビタミンE強化レタス、ウイルス抵抗性サボテンがあります。さらに、害虫、塩分の多い土壌、高温或いは乾燥に耐性があり、農薬をあまり使用しなくても高収量が期待できる作物の開発を目指した研究も行われています。
しかしながら、現在のところ韓国では遺伝子組み換え作物の商業栽培は行われていません。遺伝子組み換え作物の進歩は、その安全性を疑問視する環境保護団体や消費者団体の反対によって妨げられてきました。
遺伝子組み換え技術は農業から化粧品、さらには代替エネルギー研究にまで広がっています。しかし、遺伝子組み換え技術が実際に経済の原動力となるためには、研究者が引き続きその安全性を実証していく必要があります。
2008年 5月7日/Science Daily
Rice Plants That Resist Uptake Of Arsenic Could Ease Shortage
<記事要約>世界の人口の80%以上がコメを主食としていますが、ヒ素による表土の汚染により、バングラデシュ、インドの一部、東南アジアの水田ではコメの生産量が落ちています。マサチューセッツ大学アムハースト校の研究チームは、特定の遺伝子の活動を増やすことによって、ヒ素や他の有毒な金属の吸収を抑えるイネを作ることにより、コメの安全性を高めると同時に、世界的なコメ不足を緩和させることに取り組んでいます。
バングラデシュなどの国々では、飲料水安全基準を超えるレベルのヒ素を含む地下水が潅漑に使われた結果、有毒レベルのヒ素を含む土壌が増えて、イネを汚染したり栽培面積の縮小をもたらしたりしました。
植物体に吸収されたヒ素は、コメ粒を含め植物のあらゆる部分に蓄積しそれを食べた人にガンなど健康問題を引き起こします。それと同時に、動物飼料に使われた稲わらを通して家畜の健康にも影響を与え、乳製品と食肉を通じて食物連鎖に入り込みます。既にバングラデシュやインドの西ベンガルでは汚染された水や食品によってヒ素中毒からガンになった人が30万人以上に上っています。
この技術の実用化のために産学の共同体が働いており、企業は大学が開発した遺伝子資源をコメの系統に導入し、さらに実用に耐えるハイブリッド品種を育成した後に、市場に投入されるでしょう。
2008年 4月19日/GMO Compass
Golden Rice: First field tests in the Philippines
<記事要約>フィリピンでは、「ゴールデンライス」と呼ばれるコメの品種について4月のはじめから野外試験が行われています。2011年には生産者の手に届けられるようになるでしょう。
ビタミンAは本来はコメには含まれない栄養素で、コメを主食とするアジアの多くの国々ではビタミンAの欠乏による病気が蔓延しています。遺伝子工学技術によって多量のベータカロチンを生成し、さらに鉄分を補強されたコメが開発されました。ベータカロチンは人間の体内でビタミンAになる成分です。このコメはベータカロチンにより粒が黄色く見えるので「ゴールデンライス」と命名されました。
遺伝子組み換えイネは、これまで栄養素生産の役割は果たしていませんでしたが、将来的にはゴールデンライスが、フィリピンのみならず、中国、インド、インドネシアで、も商業栽培が行われることが期待されます。
2007年10月26日/The Brunei Times
Genetic engineering must to raise rice output, says expert
<記事要約> オーストラリアクィーンズランド大学のアクラム・タジ教授は、ブルネイの首都バンダルスリブガワンで開催されたシンポジウム「バイオテクノロジーと農業」において、地元紙のインタビューで次のように述べました。
「まずゴールを理解し、明確化することが重要です。したがってブルネイがコメの増収をゴールにするのであれば、その目的にそった遺伝子を選ばなければなりません。さらにその次には、開発のためのインフラストラクチャー、つまり遺伝子の分離・導入するための研究所を設置すると同時に、科学的専門知識を発展させることも重要課題です。
さらに次のステップとしては、野外試験や食品としての安全性を保証するための一定の試験をすることが重要です」。
シンポジウムのプレゼンテーションにおいても教授は、すでに世界各国で栽培されている遺伝子組み換え作物の可能性やメリットに触れ、生産増と世界の飢餓を減らすために新しく成長しているバイオテクノロジーの重要性について説明しました。
2007年10月8日/livemint.com
Scientists claim new GM rice variety requires 20% less water
<記事要約>世界人口の約半数がコメを主食としますが、コメ栽培は他の農作物に比べより多くの水を必要とします。シロイヌナズナの突然変異でもたらされた遺伝子「hrd-D」をイネに導入することにより、イネの成長や反収を落とすことなしに、少なくとも20%の水使用効率が改善されることを発見したと、バンガロールの農業科学大学の研究者たちが全米科学紀要に発表しました。
これは水が貴重な資源であるインドにとっては重要な研究です。インドの利用可能な真水の30%を消費するコメ生産での、真水の経済的なマネージメントに寄与します。
農業科学大学の研究者たちは、シロイヌナズナのゲノム解析を完成させたオランダのワーゲニンゲン研究センターの研究チームに属しています。シロイヌナズナのゲノムへのアクセスを持っており、さまざまな遺伝子を試し、いろいろな農産物に導入する実験を行っています。今回の成功は一ステップに過ぎず、インドで実際に栽培されるイネでこの遺伝子を試してみる必要があると研究者は慎重です。また、試験栽培の許可が得られることも重要な課題です。インド農業研究所の水管理部門も、水使用効率が40%以上改善されるイネ品種を独自に開発中であると述べています。
2007年9月18日/Visayan Daily Star
'Golden rice' commercial release eyed
<記事要約> フィリピン・ネグロスオリエンタル州の農学者グレゴリオ・パルティンカは、「国内の栄養失調と戦うため2011年までにゴールデンライスを商業化しようとする政府の計画は、何百万人もの子供と妊婦が苦しんでいる慢性の栄養素欠乏を減少させるだろう」と述べました。
フィリピンイネ研究所(PhilRice)は、栄養失調に悩む少なくとも20億の世界中の人々に対する究極的解決として期待されている、ビタミンA強化されたイネ品種の承認を得るため全力を注いできました。ゴールデンライス品種の効果、食品安全性と環境影響の試験は来年までに完了し、ゴールデンライスの安定した系統生産のためにDNA判別法にも着手していると PhilRice は述べています。また、ゴールデンライス計画では、さらにビタミンAだけでなく鉄や亜鉛強化したものも、研究開発中です。
PhilRice は、フィリピンで最も人気が高い品種である PSB Rc82にゴールデンライスを導入しようとしています。これにより、ウィルス病と葉枯細菌病への抵抗性を持つゴールデンライスが作出されます。
2007年6月11日/AFP
Cholera rice vaccine offers new hope to poor nations: study
usjapanhealthcholera_070611211715
<記事要約> 東大医科学研究所の科学者たちが、コレラ菌の一部を遺伝子組み換えでイネに挿入し、コレラの経口ワクチンの開発に成功したと2007年6月12日付の全米科学アカデミー紀要に発表しました。
従来の注射型コレラワクチンは、運搬や貯蔵に冷蔵設備を必要とするため、年間2〜3億ドルの費用がかかりますが、この遺伝子組み換えコメワクチンは常温で数年間の貯蔵が可能であり、安価でより容易に途上国の人々に届けることができます。
予備実験で、粉末にされた遺伝子組み換えコメワクチンは二段階の免疫効果を示しました。このコメを与えられたマウスは体内だけではなく、従来のワクチンでは出来なかった鼻、口、尿管などの「粘膜」においても免疫抗体を作り出したのです。
この新しい遺伝子組み換えコメを基本としたワクチンコメが、その粉末を含むカプセルや錠剤の形でアフリカ、ラテンアメリカと一部アジアなどコレラに悩む地域に配られることで、研究者たちは非常に効果的な治療が可能になるだろうと期待しています。
2007年3月2日/Food Navigator
Flavonoid-rich GM rice to boost antioxidant levels?
ドイツのハンブルグ大学とインドのハイデラバード大学の研究者たちが、フラボノイドを増やすことで、抗酸化作用が従来のコメより22%高い遺伝子組み換えイネの共同開発に成功しました。
この開発には、一つの遺伝子で多数の代謝物("one gene-multiple metabolites")を制御する代謝エンジニアリングの概念を用いました。アントシアニジン生合成系酵素(ANS enzyme)は、種々のフラボノイドの生合成について、この代謝エンジニアリングに適した酵素です。この酵素を過剰に発現する突然変異種のイネから、その遺伝子を取り出して導入した遺伝子組み換えイネの系統を作ったところ、その遺伝子組み換えイネからは、抗酸化活性を持つ種々のフラボノイドが通常のコメの4倍から20倍多く得られました。そのコメは従来のコメが77%の活性酸素を除去するのに対し、98%の活性酸素を除去することが実験で確かめられました。
「我々の研究は、伝統的品種や高収量の品種より優れた抗酸化作用を持ったコメの開発に向けた第一歩となる。」と研究者は述べます。コメは世界中で30億人以上の人々の主食です。
2006年10月24日/Truth About Trade and Technology
Rice War: A Chinese Ag Economist Plows Ahead With His Push for GM Seeds
中国の科学者でエコノミストのHuang Jikun氏は、6年にわたり組み換えイネの商業化を政府が認めるよう要望しています。彼は自身の研究の中で、モンサント・カンパニーの害虫抵抗性ワタは従来品種のワタに比べ、ヘクタール当たり225ドル多く利益を得ているが、組み換えイネでも同様に、殺虫剤の削減などにより85ドルの収益増が期待できるだろうと推定しています。
中国は1990年代にワタの組み換え作物を承認し、広くこの組み換えワタが栽培されています。政府は2000年に新しい組み換え作物の商業化認可を一時的に保留しましたが、毎年5億ドル以上を投資して研究・開発を推進しています。農業大臣は「2020年までには農産物の60%以上が組み換えになるだろう。」と語っています。
グリーンピースなどの環境団体は、組み換え作物には健康や環境に未知のリスクがあると批判しますが、Huang 氏は「豊富な食料を少ない人口で消費できる富裕国は、組み換え食品の必要性を感じていないかもしれない。彼らは有機農業のようなことも可能だ。しかし、有機農業には同じ面積あたりで組み換え作物の約半分の生産力しかない。われわれは13億人の人々を食べさせなくてはならないのだ。」と反論しています。
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