パキスタン

2010年からパキスタン、ミャンマー、スウェーデンの3カ国において、遺伝子組み換え作物の商業栽培が開始

ISAAA(国際アグリバイオ事業団)の報告によると、2010年には新たに3カ国が遺伝子組み換え作物の商業栽培を始めました。パキスタン、ミャンマーにおいて害虫抵抗性ワタの商業栽培が開始された他、スウェーデンが北欧諸国として初めて、工業用・飼料用としてEU内で商業栽培が認可された遺伝子組み換えジャガイモを作付けしました。同報告書によると、2010年の世界の遺伝子組み換え作物の栽培面積は前年比10%(1,400万ヘクタール)増加して1億4,800万ヘクタールとなっています。

2011年2月28日/AgBioWorld ISAAA: Global Status of Commercialized Biotech/GM Crops: 2010
http://www.agbioworld.org/newsletter_wm/index.php?caseid=archive&newsid=3048

パキスタン 遺伝子組み換えワタによる増産計画が本格化
2010年4月21日/Hindustan Times
Now, Pak joins Bt cotton race
http://www.hindustantimes.com/rssfeed/india/Now-Pak-joins-Bt-cotton-race/Article1-533854.aspx
<記事要約>
世界第4位のワタ栽培国パキスタンは、遺伝子組み換えのBt (害虫抵抗性)のワタ品種を導入することでワタの生産量を急増させ、アジアでは中国に次いでワタを輸出するインドと競合できるように取り組む予定です。
パキスタン政府は4月10日に、バイオテクノロジー作物の開発企業であるモンサント・カンパニーとの覚書に署名しました。パキスタンは世界でもトップ5に入るワタ栽培大国ですが、2002年にBt (害虫抵抗性)ワタを導入したインドには遅れをとっています。
モンサント・カンパニーの広報担当者は、「弊社は、世界で最も研究されたワタの技術といえるボールガード-Ⅱワタを(パキスタンに)導入する予定です」と発表し、今回の覚書を「パキスタンへのBtワタ導入に焦点を置いた、議論を続けるための枠組み」を提供するものとしています。
パキスタンは今年に公表された「ワタのビジョン2015年の目標」に基づいて、(訳注:2009年には208万トンの生産量だった)パキスタンのワタ生産を、2015年までに2千万梱(訳注:1梱=170kg計算で約340万トン, 約6,000億円相当)まで増産する事を目標にしています。
議会での質問に回答したパキスタン農業省によれば、インドでは合計9つの州、約8千万ヘクタールにおいてBtワタが栽培され、これらBtワタの導入は反収を31%引き上げるのに寄与しました。
パキスタンの「ワタのビジョン2015年」において、「2015年までに2千万梱の生産レベル」を達成するためには、遺伝子組み換え作物の導入を含めて1ヘクタール当たりの反収を毎年5パーセント改善しながら、一方で栽培面積を毎年2万5千エーカーずつ増やすなど、様々な選択肢を予想しています。
業界関係者は、パキスタンで高い反収が達成される事により、3〜4年後には同国も国際マーケットに貢献できるようになると発言しています。
パキスタン 2品種のBtワタについて、政府が栽培を承認
2009年11月26日 The Daily Times
2 Bt cotton varieties to be available for Kharif season
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2009%5C11%5C26%5Cstory
_26-11-2009_pg5_10

<記事要約>
パキスタン環境省は、遺伝子組み換え農作物の栽培を初めて公式に認可しました。パキスタンの環境省、環境保護局と国家バイオセーフティ委員会は第7回の検討会において、独自に開発した2品種の害虫抵抗性ワタ(Btワタ)を商業栽培を承認しました。これらのBtワタの品種は、分子生物学中核センター(CEMB)の科学者によって、数年をかけて開発されたものです。
承認されたのはCEMB-01とCEMB-02で、CEMB‐1は1種類のBtタンパクを作る遺伝子を持ちますが、CEMB-02は2種類のBtタンパクを作る遺伝子をもつスタック品種であり、チョウ目害虫への優れた防除効果を作物へ与えます。これらの品種は、2010年2月のパンジャブ種子協会の会議で認可を経た後に、次回(2010年の秋季収穫)の作付け時には農業生産者が利用可能な状態になる予定です。
この2品種は環境省が定めるバイオ環境安全性基準をクリアしており、また2年の栽培試験によって、パキスタン中央ワタ委員会(PCCC)からも高い評価を得ています。現在これらの品種は、来期の秋季収穫の作付けに間に合うように種子の生産が進められています。また、これら2品種を含めて合計10品種のBtワタが、パキスタン種子協会の認可を経た後で、パキスタン国内で商業化される可能性があります。
パキスタンのワタ農家は、これら2品種Btワタが、バイオセーフティーに関する試験と収量性試験など全ての必要な手続きを終了し、商業化された事を喜んでいます。
ヨーロッパや他の国々ではGM作物品種に反対しているため、今回のパキスタンにおける進展に対し反応するかもしれません。彼らは、パキスタンの主要な輸出品であるコメを含む農作物に関して「遺伝子組み換えでない」という証明書を提出させており、他の作物に対しても証明書を求めています。
パキスタン・ワタ
2007年2月15日/Daily Times
MINFAL seeks approval for bio-tech cotton
食品・農業・畜産省( MINFAL )が遺伝子組み換えワタの認可を要望
http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page= 2007%5C02%5C15%5Cstory_15-2-2007_pg5_1

ニュースによると、パキスタン食品・農業・畜産省( MINFAL )は、自国で開発された遺伝子組み換え作物の害虫抵抗性ワタ2品種について、来年から栽培が可能になるように、環境省の国立バイオセーフティ委員会の認可取得に力を入れています。農業への新技術導入の一環として、パキスタン政府は害虫抵抗性の作物の導入を計画しており、特に、中国やインドに遅れないために、この2品種のワタの認可に努力しています。
また、別の報告で、パキスタン政府はバイオテクノロジー研究開発の分野でも、関連省庁と高等教育委員会( HEC )を通じてに10億ルピー(約20億円)の投資を行っていると述べられています。現在、ワタ以外にもジャガイモ、チリペッパー、メロンのような農産物について、バイオテクノロジーの応用研究が進んでいます。
農業生産現場からの強い要望に応えて、今後、1年から2年の間に遺伝子組み換え作物がパキスタンでも栽培許可されると予想されます。

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