遺伝子組み換え作物世界での作付け面積

〜遺伝子組み換え作物の作物別・形質別作付け面積

2010年2月に発表された国際アグリバイオ事業団(ISAAA)の報告によると、2009年の世界の遺伝子組み換え作物の栽培面積は、前年度栽培面積の7.0%にあたる900万ヘクタール増加し、1億3,400万ヘクタールとなりました。遺伝子組み換え作物の商業栽培が開始された1996年当時の170万ヘクタールと比べると80倍近くに増加したことになります。

2009年度に最も多く栽培された遺伝子組み換え作物は引き続き大豆で、6,920万ヘクタール(世界の遺伝子組み換え作物栽培面積の52%)で栽培され、栽培面積は2009年度に比べて5%増加しました。大豆に引き続き多かったのがトウモロコシ4,170万ヘクタール(同31%、前年比12%増)で、ワタ1,610万ヘクタール(同12%、前年比4%増)、ナタネ640万ヘクタール(同5%、8%増)と続いています。
2007年からアメリカ、カナダで栽培が開始されたラウンドアップ・レディー®・テンサイは、2009年度にはアメリカで48,500ヘクタール(同国のテンサイ栽培面積の95%)、カナダで1,500ヘクタール(同96%)が作付けされました。ラウンドアップ・レディー®・テンサイは、2007年の商品化の後、最も急速に普及した遺伝子組み換え作物になります。

形質別で見ると、最も多く栽培されているのは除草剤耐性の作物です。2009年に栽培された除草剤耐性作物は大豆、トウモロコシ、ナタネ、ワタ、テンサイ、アルファルファで、その栽培面積は遺伝子組み換え作物の栽培面積全体の62%に当たる8,360万ヘクタールに相当します。また複数の形質を併せ持つ「スタック」品種が全体の21%にあたる2,870万ヘクタールにおいて、また害虫抵抗性作物は同16%、2,870万ヘクタールにおいて栽培されました。栽培面積の増加を見ると、スタック品種と除草剤耐性の作物はそれぞれ6%の増加、害虫抵抗性の作物は14%増加しました。

世界で遺伝子組み換え作物を栽培する農業生産者は、2008年より70万人増加して1,400万人となりました。このうち90%超にあたる1,300万人が、開発途上国の資源に乏しい小規模農業生産者です。そのほとんどがBtワタを栽培する農業生産者であり(中国:700万人、インド:560万人)、次いでBtトウモロコシを栽培するフィリピン、南アフリカの農業生産者となっています。2009年に遺伝子組み換え作物のベネフィットを享受した農業生産者が最も増加したのはインドでした。同国ではBtワタを栽培する農業生産者が60万人増え、インドで栽培されたBtワタは、2009年には国内のワタ栽培総面積の87%を占めています。
2009年の遺伝子組み換え作物の栽培総面積である1億3,400万ヘクタールのうち、約半分(6,150万ヘクタール、46%)が発展途上国における栽培です。インド、中国、南アフリカ、フィリピンで実施されたケーススタディによって、遺伝子組み換え作物は資源の乏しい小規模農業生産者やその家族の収入や生活水準を向上させ、貧困の軽減に貢献したと報告されています。

注)「形質」とは遺伝子組み換え技術によって導入した性質のことです。たとえば「除草剤耐性」、「害虫抵抗性」などが形質です。形質を2つ以上併せ持つことを「スタック」とよびます。「形質ヘクタール」とは、それぞれの形質が栽培された面積のことです。つまり、2つの形質を持つスタックの場合には、そのスタック品種の栽培面積の2倍、3つの形質を持つスタックの場合には3倍として計算した栽培面積を「形質ヘクタール」といいます。


遺伝子組み換え作物栽培面積(作物別)

  1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
大豆 50 510 1450 2160 2580 3330 3650 4140 4840 5440 5860 5860 6580 6920
トウモロコシ 30 320 830 1110 1030 980 1240 1550 1930 2120 2520 3520 3730 4170
ワタ 80 140 250 370 530 680 680 720 900 980 1340 1500 1550 1610
ナタネ 10 120 240 340 280 270 300 360 430 460 480 550 590 640
テンサイ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 30 50
その他 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 20 10

単位:万ha

世界の総栽培面積に占める遺伝子組み換え作物の割合(2009年)

  非組み換え 遺伝子組み換え 作付け面積全体
大豆 2,080 6,920 9,000
ワタ 1,690 1,610 3,300
トウモロコシ 11,630 4,170 15,800
ナタネ 2,460 640 3,100

単位:万ha

遺伝子組み換え作物の栽培面積(形質別)



  1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
除草剤耐性 60 690 1980 2810 3270 4060 4420 4970 5860 6370 6990 7220 7900 8360
害虫抵抗性 110 400 770 890 830 780 1010 1220 1560 1620 1900 2030 1910 2170
スタック(害虫抵抗性/
除草剤耐性)
10 30 290 320 420 440 580 680 1010 1310 2180 2690 2870
その他(ウィルス抵抗性、他) <10 <10 <10 <10 <10 <10 <10 <10 <10 <10 <10

単位:万ha

遺伝子組み換え作物の栽培面積(作物・形質別) 2008年



  1998 1999 2000 2001 2002 2003 2003 2005 2006 2007 2008 2009
除草剤耐性大豆 1450 2160 2580 3330 3650 4140 4840 5440 5860 5860 6580 6920
除草剤耐性トウモロコシ 210 210 210 250 320 430 340 500 700 570 640
除草剤耐性ナタネ 240 350 280 270 300 360 430 460 480 550 590 640
除草剤耐性ワタ 170 160 210 250 220 150 150 130 140 110 100 110
害虫抵抗性トウモロコシ 670 750 680 590 770 910 1120 1130 1110 930 710 920
害虫抵抗性ワタ 130 150 190 240 310 450 490 800 1080 1190 1240
除草剤耐性・害虫抵抗性 トウモロコシ 210 140 180 220 320 380 650 900 1880 2450 2610
除草剤耐性・害虫抵抗性ワタ 250 80 170 240 220 260 300 360 410 320 260 260

単位:万ha

出典:ISAAA(国際アグリバイオ事業団)
Global Status of Commercialized Transgenic Crops

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