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遺伝子組み換え作物の基礎知識
5.安全性についてよくある質問
1.遺伝子組み換えナタネが輸入され国内で運ばれる際に、港周辺や道路でこぼれ落ちて、わが国の生物多様性に悪影響を及ぼすことはありませんか?
1. 遺伝子組み換えナタネの種子がこぼれ落ちて、道ばたなどで自生している例は国内で確認されています。しかしこれらの種子は、申請の際にカルタヘナ法に基づく生物多様性影響評価において、従来の非組み換えナタネと比べて生存能力や交雑性が高まっていないかどうか評価されたもので、わが国の生物多様性に影響を与えることはないと既に判断されています。したがって、たとえ種子がこぼれ落ちても、生物多様性に影響を与えるとは考えられていません。
またセイヨウナタネの場合、自然条件下においては他の野生植物などの競合に負けてしまい、自生化することは難しいことが知られています。組み換えナタネが輸入される以前から、非組み換えのセイヨウナタネは何十年にもわたって輸入されてきましたが、この種子がこぼれ落ちて日本の在来植物が駆逐され、生物多様性に影響を及ぼした事例は認められていません。
念のために農林水産省では、遺伝子組み換えナタネの生育実態や特性について継続的に調査を行っています。しかし、これまでのところ、生物多様性に影響を及ぼしていないことが確認されています。
2.除草剤耐性の遺伝子組換え農作物の遺伝子が、他の雑草に移って、除草剤をまいても枯れないような抵抗性雑草が繁殖するようなことはありませんか?
2. 農作物は、近縁種以外の植物と交雑する事はありません。トウモロコシや大豆などと交雑可能な近縁種は限られているため、除草剤耐性作物から一般的な雑草へ遺伝子が移動し、雑草が除草剤耐性を獲得する、ということはありません。
また、同じ除草剤を使い続けることによって、雑草がその除草剤に対して抵抗性を獲得する事がありますが、これは1960年代から報告されており、遺伝子組み換え作物(除草剤耐性作物)に特有の問題ではありません。対応としては適切な他の除草剤を用いるといった対応をとることで、抵抗性雑草の発生・拡大リスクを最小化することが可能であり、遺伝子組み換え作物も従来の作物も、同様の手法で対応可能です。
3.遺伝子組み換え食品を食べ続けても大丈夫ですか?
3. 食品に含まれるDNAから出来ている遺伝子は、胃や腸の中で消化、吸収されて分解されます。したがって、食べた遺伝子が人や動物の身体に残ることはありません。遺伝子組み換え食品がこれまでの食品と異なるところは、新たに挿入した遺伝子が組み込まれていることですが、こちらも他の遺伝子と同様、全く同様に消化されます。
また組み換えられた遺伝子が新たにつくるものはタンパク質ですが、このタンパク質がちゃんと消化されていることが安全性審査で確認されています。またこのタンパク質が新たに毒性を持たないか、アレルギーを引き起こさないかという点についても調べられています。これら安全性審査をクリアしたものだけに、商品化のための認可が与えられます。
一方、食品に混入する重金属のような場合、摂取すると消化されずに体内に蓄積してしまうため、たとえ微量であっても長期間食べ続ければ健康に影響を与えることになります。しかし、遺伝子組み換えによって新たに作られるものはタンパク質で、それは消化され蓄積することはありません。ですから長期間にわたって食べ続けても大丈夫です。
4.遺伝子組換え食品の安全性確認の際に、動物試験はしていますか?
4. 国が定めた安全性評価基準においては、安全性審査において必要に応じて毒性試験(急性毒性に関する試験、亜急性毒性に関する試験、慢性毒性に関する試験、生殖に及ぼす影響に関する試験、変異原性に関する試験、がん原性に関する試験およびその他必要な試験)のデータを求めています。しかし科学的見地から毒性試験の必要性がないと判断されれば、省略することができるとされています。
これまで商品化されている遺伝子組み換え作物については、これまでの食品と異なる点は、新たにタンパク質が加わっているだけであるため、そのタンパク質の安全性(消化されるか、アレルギーを引き起こさないか、有害物質を産生していないか等)が確認できれば体内に蓄積されることはなく、動物試験などは実施する必要がないと判断されています。
5.輸入の際に、安全性が確認されていないような未承認の遺伝子組み換え農作物が入ってくることはありませんか?
5. 日本では、遺伝子組み換え農作物の輸入時に、安全性が確認されていない遺伝子組み換え農作物が市場に出回らないよう、輸入者からの届書の提出が義務付けられています。もし日本で流通が許可されていない遺伝子組み換え作物および食品が見つかった場合は、食品衛生法に基づいて回収、廃棄、積み戻しなどの措置が取られています。