遺伝子組み換え作物のメリットに関する資料

遺伝子組み換え作物:1996年から2007年の世界の社会経済および環境に対する影響

Graham Brookes (グラハム・ブルックス)& Peter Barfoot (ピーター・バーフット)
PGエコノミクス社:英国


 英国の経済学者、グラハム・ブルックス氏とピーター・バーフット氏の両名が、最新の情報に基づく新たな調査研究結果を発表し、過去12年間(1996〜2007年)に栽培された遺伝子組み換え作物が、経済と環境に与えた影響について、数値化して公表しました。著者らは、遺伝子組み換え作物の栽培が世界の経済と環境に大きなメリットを与えており、世界の食糧安全保障にも重要な貢献を果たしていると報告しています。また、過去12年間に、遺伝子組み換え作物の栽培によって、農業生産における温室効果ガス排出量が減少し、農薬散布量が削減され、農業生産者の収入が大幅に増加したと報告しています。さらに、遺伝子組み換え技術が多くの農業生産者に単位面積あたりの収量増加をもたらし、結果として作物生産量が増加したことも指摘しています。
 この報告書の全文はwww.pgeconomics.co.ukにて公表されています。


調査研究の概要:

環境への影響:

 環境への影響については、データが入手された各年に関し、遺伝子組み換え作物と非遺伝子組み換え作物とを比較し、それぞれの農薬使用量の変化に基づいて計算されています。また遺伝子組み換え作物栽培に使われた農薬使用量の合計を数値化し、同時に環境影響指数(EIQ)を用いることで、遺伝子組み換え作物における「環境フットプリント」の変化についても、数値化がなされました。このEIQという指標によって、特定の除草剤を使用する遺伝子組み換え作物と、非遺伝子組み換え作物の栽培体系における環境特性が比較されました。
 著者らは1996年以来、遺伝子組み換え作物栽培における農薬使用量が世界で7億9,200万ポンド(3億6,000万kg)も減少し、比率にして約9%という著しい減少を示したと報告しています。同じく重要な報告として、遺伝子組み換え作物の導入によって農薬使用による環境影響(EIQ)は全体で17%以上も低下し、世界的に環境への影響が大幅に低下しました。



遺伝子組み換え作物による農薬使用量の変化に対する影響:1996〜2007年
作物 除草剤耐性
大豆
除草剤耐性
トウモロコシ
除草剤耐性
ワタ
除草剤耐性
ナタネ
害虫抵抗性
トウモロコシ
害虫抵抗性
ワタ
総変化量
農薬使用量の変化
(単位:百万kg)
-73.0 -81.8 -37.0 -9.7 -10.2 -147.6 -359.3
農薬使用量の変化
(%)
-4.6% -6.0% -15.1% -13.9% -5.9% -23.0% -8.8%
環境影響指数の変化
(%)
-20.9% -6.8% -16.0% -25.8% -6.0% -27.8% -17.2%

農薬による環境への影響は、農薬の使用方法の違いにより、国毎、年毎に異なりますが、1996年〜2007年の12年における、農薬使用量の減少という世界的な全体の傾向は、顕著な一貫性をしめしています。

著者らはさらに、遺伝子組み換え作物が環境への二酸化炭素排出量の削減にも大きく貢献したと報告しました。
 このような遺伝子組み換え作物による二酸化炭素排出量の削減には、二つの要因があります。
 まず第一に、畑への農薬散布と耕起の回数が減少したことにより、遺伝子組み換え作物栽培におけるディーゼル燃料の使用量が減少しました。2007年には、遺伝子組み換え作物栽培によって燃料使用量が減少し、削減された二酸化炭素の量は10億kg以上となりました。
第二に、遺伝子組み換え作物の導入によって畑を耕起する回数が減ったため、土壌中に蓄積、つまり固定される炭素量が増加しました。その結果、2006年には二酸化炭素の排出量が140億kg近く削減されました。
 これら二つの要因により、2006年に大気へ放出された二酸化炭素は、およそ150億kg(230億ポンド)が削減されたと著者は報告しています。これは年間600万台以上の自家用車を路上から撤去したことに相当します。


2007年の二酸化炭素排出量に対する遺伝子組み換え作物の影響と自家用車に換算した効果
燃料使用量の減少によるCO2排出量の減少 炭素固定によるCO2排出量の追加削減 道路を走行する平均的自家用車の1年間の削減台数 *
  CO2 10億kg CO2 10億kg 自家用車100万台
       
2007 1.1 13.1 6.3
* 自家用車の平均排出量は150gm CO2/km X 15,000km/年 =2,250 kg CO2/年とする。


経済効果

著者は、1996年から栽培が始まったそれぞれの遺伝子組み換え作物に関して、著しい経済効果が認められたと報告しています。遺伝子組み換え作物が栽培された全ての国において、農業生産者の経済的収益は上昇しています。遺伝子組み換え作物により、2007年には農業収入は100億ドル(約1兆円)以上も増加し、1996年〜2007年の収入増加は、累計で440億ドル(約4兆4,000億円)以上になります。また2007年においては、この収入増加の半分以上(58%)が、発展途上国の農業生産者における収入増であり、その多くは害虫抵抗性ワタと、除草剤耐性大豆によるものでした。なお、この数字は収量と生産コストだけに基づいて計算しているため、経済効果としては控えめな数値であることを著者は指摘しています。経営効率の改善による農業生産者への追加の利益は、これよりもかなり高くなる可能性があります。しかしこれは、遺伝子組み換え作物によってもたらされる経済価値の計算には、盛り込まれてはいません。


世界の農業収入に対する遺伝子組み換え作物による効果 (単位:百万ドル)
作物  除草剤耐性
大豆 
除草剤耐性
トウモロコシ
除草剤耐性
ワタ
除草剤耐性
ナタネ
害虫抵抗性
トウモロコシ
害虫抵抗性
ワタ
総収入
2007 3,935 442 25 346 2,075 3,204 10,081
96-07 21,814 1,508 848 1,439 5,674 12,576 44,068


トウモロコシ、大豆、ワタ、ナタネの生産量に対する効果
遺伝子組み換え作物導入に伴う単位面積当たりの収量増は、2007年の著しい全生産量の増加に寄与しました。遺伝子組み換え作物によって、2007年の大豆、トウモロコシ、ワタ、ナタネの生産量の合計は、世界で3,200万トンも増加しました。もし2007年に遺伝子組み換え作物が全く作付けされていなければ、同じ生産量を確保するために、さらに1,180万ヘクタール(2,900万エーカー)の耕地が必要だったろうと著者は試算しています。これはブラジルの耕作可能面積の約23%に相当します。

2007年の生産性の変化
   (百万トン)
1996〜2007年の生産性の変化
    (百万トン)
大豆 14.46 67.80
トウモロコシ 15.08 62.42
ワタ 2.01 6.85
ナタネ 0.54 4.44
合計 32.09 141.51


調査研究から得られたおもな所見:
商品化から12年、遺伝子組み換え作物は世界の環境に対して大きなプラスの影響を与えました。
  • 農業生産者は1996年以来、農薬の使用量を7億9,000万ポンド(3億5,900万kg)、比率にして約9%削減しました。この量はEU(欧州連合)での年間の農薬使用量の約125%に相当します。
  • 農薬散布が減少したことにより、遺伝子組み換え作物に使われる農薬による世界的な「環境影響」は、17%以上低下しました。
  • 除草剤耐性の遺伝子組み換え作物により、多くの地域で、減耕起栽培や不耕起栽培の採用が進み、それが土壌流亡の減少に寄与しました。
遺伝子組み換え作物は、農業による温室効果ガス排出量を二酸化炭素換算で142億kg分も削減するという、重要な貢献をしました。これは年間600万台以上の自家用車を、路上からなくしたことに相当します。
  • 2007年、遺伝子組み換え作物により農薬の使用と耕起が減少しました。その結果、遺伝子組み換え作物栽培における燃料の使用量は減少し、二酸化炭素排出量が10億kg以上削減されました。
  • 遺伝子組み換え作物により、減耕起栽培や不耕起栽培の採用が進み、その結果、より多くの作物の残渣が土壌中に保持または隔離されます。このような土壌中への炭素の隔離によって、2007年には二酸化炭素の大気への排出が130億kg以上も削減されました。
この報告書では、2007年もこれまでと同様に、遺伝子組み換え作物を栽培した全ての国において、農業生産者の純所得が上昇したことを確認しています。
  • 2007年に遺伝子組み換え作物を作付けした農業生産者の純所得は、遺伝子組み換え作物を作付けしなかった農業生産者の純所得を、100億ドル(約1兆円)以上、上回りました。
  • 1996年以来、世界で遺伝子組み換え作物を導入した農業生産者の純所得は、生産性の向上とコストの削減により、累積総額で441億ドル(約4兆4,100億円)増加しました。
  • 遺伝子組み換え作物による収入増の過半数(58%)は途上国の農業生産者におけるもので、その大部分は害虫抵抗性ワタと除草剤耐性大豆によるものです。
  • このような収入増は、単位面積あたりの収量が増加したことと生産コストが削減されたことによるものです。
遺伝子組み換え作物は2007年のトウモロコシ、大豆、ワタ、ナタネの世界生産量の増加に寄与しました。
  • 遺伝子組み換え作物の高い生産性により、大豆(1,446万トン)、トウモロコシ(1,508万トン)、ワタ(201万トン)、ナタネ(54万トン)の生産量増加につながりました。
  • 著者らは、もし2007年に遺伝子組み換え作物が栽培されなければ、このような生産レベルを世界的に維持するためには、1,180万ヘクタール(2,900万エーカー)の追加作付けが必要だっただろうと指摘しています。この面積はブラジルの耕作可能面積の約23%に相当します。

この文書は農業バイオテクノロジーの成果に関して発表された科学論文の要約です。これは内容をありのままに記載したもので、モンサント・カンパニーの意見または見解を表現したものではありません。この技術情報は社員教育のために提供され、宣伝のための使用を意図していません。
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