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遺伝子組み換え作物のメリットに関する資料
EUは、遺伝子組み換え作物栽培による、持続可能な農業への貢献のチャンスを逃している*1
PGエコノミクス社 www.pgeconomics.co.uk
プレスリリース:2009年6月8日、英国ドーチェスター
最新の研究結果によると、害虫抵抗性の遺伝子組み換えトウモロコシ*2は経済と環境の両面で重要な恩恵(メリット)をもたらしています。しかし現時点では、その潜在的な恩恵のごく一部しか実現されていません。
「EUの農業生産者が害虫抵抗性の遺伝子組み換えトウモロコシ(以下:害虫抵抗性トウモロコシ)を採用したことで、農薬散布の削減、トウモロコシの品質改善、農業生産者の収入の大幅な増加につながりました」と、この報告書を執筆したPGエコノミクス社のディレクター、グラハム・ブルックス(Graham Brookes)氏は語ります。「遺伝子組み換え技術は、収量の増加、生産リスクの引き下げ、生産性改善に重要な貢献を果たしてきました。ところが、トウモロコシを生産するEU加盟国の何カ国かでは、農業生産者と市民 (消費者) の双方がその恩恵を享受する機会を奪われています。特に大きな損失を被ったのは、遺伝子組み換え技術の使用を事実上禁止した国々、つまりイタリア、フランス、ドイツ、オーストリアです」。
この包括的な研究による主な所見は以下のとおりです。
- トウモロコシ穿孔虫(訳注:主にアワノメイガ)の害を受けるトウモロコシ産地では、主な効果として、従来の非遺伝子組み換えトウモロコシよりも収量が増加しました。(平均収量増加率は+10%)
- 2007年に、害虫抵抗性トウモロコシ*3を栽培した生産者の収入は、1ヘクタール当たり平均で186ユーロ(1ユーロを140円と換算して、26,040円)上昇しました。増加の幅は1ヘクタール当たり+25ユーロ(同3,500円)から+201ユーロ(同28,140円)です。遺伝子組み換え作物を栽培した生産者の全員において計算すると、遺伝子組み換え技術に直接的に起因する2007年の農業所得増加額は、2,060万ユーロ(28億8,400万円)でした。
- 特定の地域においては、害虫抵抗性トウモロコシを栽培することで穀粒中のマイコトキシン(訳注:カビが産生する毒素。アフラトキシンやフモニシンなどが含まれる)の量が激減し、トウモロコシ穀粒の品質が大幅に改善しました。
- 従来、トウモロコシ生産者が害虫の防除に殺虫剤を使用してきた地域では、遺伝子組み換え技術の使用に切り替えたことにより、殺虫剤の使用と、それに伴う環境への影響が軽減するという重要な効果が上がっています(スペインで特に顕著)。
- EU域内において害虫抵抗性トウモロコシが栽培される可能性のある農地面積は、毎年の害虫の発生状況によって変わりますが225万ヘクタールから400万ヘクタールあります。この栽培面積からすると、害虫抵抗性トウモロコシを採用することによって可能になる1年間の潜在的所得増は1億6,000万ユーロ(224億円)から2億4,700万ユーロ(345億8,000万円)です。しかし現時点ではこの潜在的な利益のうち、EU全域で8%から12%しか実現していません。
- 現在、害虫抵抗性トウモロコシ技術がもたらす最大の経済的利益を逃している国は、イタリア、フランス、ドイツ、次いでオーストリアとルーマニアです。
- 可能性のある面積全部で害虫抵抗性トウモロコシが栽培されれば、殺虫剤の使用量を有効成分として、毎年41万kgから70万kg削減することができます。しかし現在は、殺虫剤使用削減による潜在的な環境面の恩恵のうち、全体の14%から25%しか実現されていません。
- 現在、害虫抵抗性トウモロコシの採用率の高さから、農業所得と環境面での効果の可能性を完全、またはそれに近いレベルで実現している唯一のEU加盟国がスペインです。
- 現在、害虫抵抗性遺伝子組み換えトウモロコシ栽培によって無理なく実現され得る、最大の環境面での恩恵を逃している国は、イタリア、フランス、ドイツ*4です。
*1 報告書の全文はwww.pgeconomics.co.ukからダウンロードできます。この報告書は以前の研究(同じ方法を使用)を更新したものです。前の研究結果は同じWebサイトおよび査読付き学術誌であるInternational Journal of Biotechnology (2008, vol 10, 2/3) に掲載されています。
*2 現在、EU域内で商業栽培を許可されている唯一の遺伝子組み換え作物。
*3 農地面積にしてEU全域で約11万ヘクタール。
*4 オーストリアとルーマニアは、経済面ではかなりの機会を逸していますが、環境面ではそれほどでもありません。それはイタリア、フランス、ドイツと比べ、これらの国々の従来型トウモロコシ生産では、トウモロコシ穿孔虫の防除策として、農薬の使用が少ないためです。
詳細な情報については、以下のサイトからグラハム・ブルックスまでお問い合わせください。
http://www.pgeconomics.co.uk/