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遺伝子組み換え作物のメリットに関する資料
除草剤耐性のボランティアナタネ〜生産者の管理作業に関する調査研究
(報告書公表日:2005年4月21日)
■ ボランティアナタネ (Volunteer Canola)とは
このレポートでは、ナタネを栽培した畑で、後作で違う作物を栽培した場合、生えてきてしまう雑草として扱われるナタネをボランティアナタネ(Volunteer
Canola)と称しています。ボランティアとは"自発的に"という意味があります。
■ 調査の概要
2001年1月にカナダカノーラ協会は「遺伝子組み換えナタネによる農業経営と経済への影響」という調査を発表しました。その結果、生産者にとって除草剤耐性の品種*を栽培することは収量、収益ともに利点があり、環境にとっても効果的だということがわかりました。ただ、この調査では時に生えてくるナタネの防除方法やコストについては調査しませんでした。もし、除草剤耐性ナタネを栽培した翌年に後作で別の作物を栽培すると、前年の除草剤耐性のボランティアナタネは「雑草」として扱われることになりますが、それが除草剤耐性という特性を持っていると、防除作業に影響が出るのではないか。この調査はそうした疑問に応えるため、除草剤耐性ナタネと除草剤耐性でないナタネを栽培した翌年に、春小麦など別の作物を栽培して、そのナタネの防除について比較しました。調査は2004年の春から夏に実施。結果的には除草剤耐性だからといって、防除方法が大きく変わることはなく、除草剤使用量にも差はなかったという結論が出ています。
* 除草剤耐性の品種とは、遺伝子組み換えによる品種(Roundup Ready(R)、Liberty Link(R)/InVigor(R))と、従来の品種改良の方法のひとつである突然変異を利用した品種(CLEARFIELD)をいいます。
■ 調査のポイント
- 除草剤耐性と除草剤耐性でないボランティアナタネの防除のための管理方法の相違
- 除草剤耐性と除草剤耐性でないボランティアナタネの防除に掛かる費用の比較とその相違
- 除草剤耐性ナタネを栽培する前とした後で、生産者のボランティアナタネ防除の容易さに関する認識と除草剤耐性品種の栽培の利点と比較
- 耕起をしない場合と従来の耕起でのボランティアナタネの管理方法を分析し、比較
カナダ西部の生産者は、1995年の除草剤耐性(HT)ナタネ品種登場以来、急速にその導入を進めている。2004年には、カナダ西部の耕地面積の90%以上に除草剤耐性の品種が栽培された。
Canola Council of Canadaは、2000年に遺伝子組換えナタネ(Roundup Ready(R)、Liberty Link(R)/InVigor(R))の管理作業および農業経済への影響に関する調査を委託した。しかし、この調査では、作物の後作によるボランティアナタネの管理作業およびコストは含まれなかった。ボランティアナタネの管理は、それが遺伝子組み換え作物でないとしても、除草剤耐性のナタネによる影響を受ける。このため、次の調査では、3つの除草剤耐性のRoundup
Ready、Liberty Link/InVigor、およびCLEARFIELD(TM)に加え、除草剤耐性でないナタネについて、栽培後におけるボランティアナタネの管理を比較した。Serecon
Management Consulting社では、管理作業、管理コスト、影響および生産者の見解について調査した。
■ 調査結果のポイント-いずれの品種の場合でも結果は類似
この調査により、におけるボランティアナタネ管理の面からいずれの品種の場合でも相違点はなく、類似点が多いことが明らかになった。
- ボランティアナタネはいずれの品種の場合でも、除草剤散布で防除する主な広葉雑草のように注力されることはなかった。全体的には、カラスムギ、ソバカズラ、エゾキツネアザミや除草剤耐性でない一年生の広葉が深刻な雑草問題として挙げられた。
- ボランティアナタネだけのために、除草剤散布あるいは耕起をする生産者はほとんどいなかった。したがって、精度のあるコスト比較には限界があるが、ここでは3つの異なる情報源から調査をし、その3方面からの調査結果は極めて一致した。
- 調査した大多数のナタネ生産者は、これまで以上にボランティアナタネに注力することもなく、ボランティアナタネ防除のために雑草管理の方法を変更することもなかった。ボランティアナタネをより標的としたり、それらに対する雑草管理の方法を変えたということが、除草剤耐性品種だけでなく除草剤耐性でないナタネも両方栽培したことのある生産者により報告された。変更については、従来の雑草を耕起して防除している生産者より、耕さないで防除している生産者(除草剤耐性の品種の使用に該当)からの報告が多かった。したがって、雑草管理の変化はいずれも、耕起作業の違い、および、または除草剤耐性品種の生産者によるボランティアナタネ防除の必要性に対する意識の高まりによると考えられる。
- 防除のための除草剤の使用と耕起についてはどの品種の場合に至っても差がなく、除草剤耐性の品種だけが特別であることはなかった。
- 生産者自身が推定した、除草剤散布:1エーカー当たり10〜13ドル、耕起による雑草防除作業:1エーカー当たり5ドルというボランティアナタネ管理のコストには、いずれの品種の場合でも際立った差は認められなかった。
- 全体的な雑草管理プログラムにおける、除草剤の選択および散布の時期(殆どが発芽の後)は、発芽したボランティアナタネの防除のために最もよく利用されるグループ2および4*の除草剤を使用したいずれの品種の場合でも差はなかった。例外としてCLEARFIELDのボランティアナタネは、特にグループ2の除草剤に耐性を持つため、グループ4が最も多く用いられた。
*グループ2にはRefine ExtraとAssertがあり、発芽後に使用され、CLEARFIELD以外の多くの全ての雑草に効果がある。グループ4にはMCPAと2,4-D、Targetがあり、タンク混合としてよく使用される除草剤。
- 夏の間の雑草計測中にボランティアナタネが観察された畑の比率は、全ての品種の場合を通じてきわめて差異がなく、生産者らが定義している1平方メーター当たり10本という処理の経済的許容限界を超過することはほとんどなかった。
- ナタネ収穫の2年後にボランティアナタネを防除することは稀ではあったが、除草剤耐性および除草剤耐性でない両方の品種の場合で実施された。ナタネ収穫2年後のボランティアナタネは、穀物収穫2年後のボランティア穀物と比較して同様であり、ボランティアナタネは持続性が強くないことが示唆された。
- 処理された耕地面積の割合(ナタネ栽培後の面積の20%未満)は全ての品種の場合にわたり差がなかったが、ボランティアナタネを除草剤散布の標的としたと答えた生産者は、除草剤耐性でない品種よりRoundup
Ready品種の生産者の方が若干多かった。
■ 管理作業は、生産者、耕地条件、雑草の領域に特有で、次の事柄により異なる
- 生産者はしばしば複数の品種を植え付けたり、年ごとに品種をローテーションする。例えば、2004年の調査では過去5年にわたって除草剤耐性でない品種のみを栽培したのは、2003年に除草剤耐性でない品種を栽培し生産者の5人に1人であった。
- (春まき小麦はナタネのとして最も多く用いられる)、標的とする雑草、利用可能な除草剤と耕起方法には、多様な組み合わせがある。雑草管理は、前作のナタネの品種によるということよりは、むしろや全ての雑草の防除に関することの方がより大変であると考えられる。このため、全体的な雑草管理プログラムから切り離して、ボランティアナタネのための特定な処理法を定義することは、生産者にとってやや困難である。
■ ナタネ生産者は、除草剤耐性の品種の栽培への支持を続けている
- その他、および除草剤耐性の品種の両方の栽培経験を持つ生産者で、ボランティアナタネの管理はどちらの場合も同等か、あるいは除草剤耐性の方が容易であったと答えたのが4分の3に上った(3人は同等、あるいはより容易、1人はより困難)。
- 2003年に除草剤耐性品種(3つの品種のうちのいずれでも)を栽培した生産者のほぼ60%が、雑草防除の改善という点からみて2004年への持越し利益があったと報告した。しかし、この見解は、除草剤耐性のグループ全体と除草剤耐性でないグループの間で、全ての雑草あるいは夏雑草のための除草剤使用量の違いがわからなかったのでPrairie
Weed Surveyではサポートしていない。これらの生産者の約半数が、1エーカー当たり11ドル80セント(例えば代表的なグリホサート製品を散布した場合にかかる費用)という認識された利益に価値を見出している。この利益により、生産者調査でみられたボランティアナタネ防除による増分原価はすべて相殺されると考えられる。
- ボランティアナタネの防除も含む全体を考慮した上で、大多数の除草剤耐性品種の生産者は、自分達の農場で除草剤耐性品種を栽培する利益は、除草剤耐性でない品種を育てるより大きいという前提を支持し続けている。
【本調査の情報源】
- Agriculture and Agri-Food Canadaが草原地域の3州と協力して行った2001、2002および2003年の草原雑草調査(Prairie
Weed Survey)(調査畑数:前年にナタネを栽培した316)。データには、生産者が行った管理調査結果に加え夏雑草の数も含まれた。
- カナダ西部のナタネ生産者335人への、2004年におけるボランティアナタネの雑草管理作業に関する電話調査。
- 異なった作物および標的とするべく雑草のシナリオを仮定した場合の、ボランティアナタネ防除のための除草剤の選択およびコスト測定の一連のシミュレーション。
報告書の原文(英文)[PDF 1,108KB]
Herbicide Tolerant Volunteer