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スタック・トウモロコシ観察記
除草剤耐性と害虫抵抗性とを掛け合わせたトウモロコシ
栽培試験の概要
【はじめに】
日本モンサントでは、自社の研究農場(茨城県稲敷郡河内町)の隔離ほ場において、遺伝子組み換え作物の栽培試験を行っています。2004年は除草剤耐性大豆(商品名:ラウンドアップ・レディー・大豆)、2005年は除草剤耐性大豆に加え、害虫抵抗性トウモロコシ(商品名:イールドガード・コーンボーラー・トウモロコシ)の栽培試験を行いました。日本モンサントでは、自社研究農場での栽培試験について広く一般の方にもご覧いただきたいと考え、2004年の「除草剤耐性大豆観察記」、2005年の「組み換えトウモロコシ観察記」に続き、2006年は組み換えトウモロコシの第2弾として、除草剤耐性トウモロコシと害虫抵抗性トウモロコシを掛け合わせた「掛け合わせ(以下、Stack/スタック*)」と呼ばれる組み換えトウモロコシに密着、その成長の記録を「スタック・トウモロコシ観察記〜掛け合わせ(スタック)編」と題して紹介していきます。
* スタック/Stack(掛け合わせ)・・・2つ以上の異なる性質を導入した組み換え作物を掛け合わせることによって、それら2つの性質を併せ持つように育種した組み換え作物の総称。たとえば、害虫抵抗性と除草剤耐性の組み換え作物を掛け合わせて、これらの2つの性質を合わせ持つようになった組み換え作物はスタックのひとつです。
今回の試験に使用するのは、害虫抵抗性トウモロコシ(イールドガード・コーンボーラー・トウモロコシ)と除草剤耐性トウモロコシ(ラウンドアップ・レディー・トウモロコシ)の二つの特長を併せ持ったスタック組み換えトウモロコシです。害虫抵抗性トウモロコシは、BT(バチルス・チューリンゲンシス)という土壌微生物由来の殺虫タンパク質を作る遺伝子を組み込むことで、アワノメイガ(Corn Borer/コーンボーラー)という害虫に抵抗性を持たせています。除草剤耐性は、除草剤グリホサートの影響を受けないタンパク質を作る微生物由来の遺伝子を組み込むことで、除草剤グリホサート(ラウンドアップ®除草剤)に耐性を持たせています。除草剤への耐性を持つことで、農作物以外の雑草だけを効率的に枯らすことができます。以上のような理由から、殺虫剤や除草剤の散布回数とそれに伴う労力やコストなどを大きく削減することが可能になります。この品種は、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律」(通称:カルタヘナ法)に基づく安全性確認を2004年11月に終了しており、一般のほ場での栽培も認められた品種です。今回は隔離されたほ場での栽培ではありますが、開花前に除雄(じょゆう)するという交雑防止措置を講じます。なお、このトウモロコシは、食品・飼料としての安全性も2003年に確認されており、すでに日本でも食品や飼料として利用されています。
【概要】
今回の試験では、その特性を検証するため、畑を以下の3つの試験区に分類し、それぞれの作物の成長の様子、雑草や害虫被害の比較を行います。非組み換えトウモロコシについては、殺虫剤と土壌処理剤を散布した区と、何もしない区の両方を設けました。
- 組み換えトウモロコシ区(害虫抵抗性と除草剤耐性の(掛け合わせ)スタック)
(組み換えトウモロコシの効果を確認していただくための区。除草剤をまいても枯れないという耐性効果を確認するために除草剤を散布。害虫抵抗性の効果を確認するために殺虫剤は散布なし)
- 非組み換えトウモロコシ/無除草・無殺虫区
(組み換えトウモロコシとの比較対照として、普通のトウモロコシの栽培で、雑草防除や害虫駆除をまったくしないとどうなるかを確認するための区)
- 非組み換えトウモロコシ/殺虫剤散布・土壌処理区
(非組み換えトウモロコシとの比較対照として、普通のトウモロコシの栽培で、一般的に行われている雑草防除や害虫駆除を行った場合どうなるかを確認するための区。土に予め散布して雑草の発生を制御する土壌処理剤と、害虫を駆除する殺虫剤を散布)
