モンサント・カンパニーが現在商品化している遺伝子組み換え作物のうち、除草剤耐性作物を紹介します。その有用性は生産者に広く受け入れられ、現在作付け面積は広がっています。
| 除草剤耐性作物は、特定の除草剤に耐性を持つ遺伝子を組み込むことにより、除草剤をまいても枯れないようにした作物です。普通、除草剤は選択性(効果を発揮する雑草が決まっている)であるため、農作物を栽培する際には、数種類の除草剤を数回にわたり散布しなければなりません。しかし非選択性の除草剤を使い、その除草剤に耐性を持った作物を栽培すれば、農作物以外の雑草だけを効率的に枯らすことができるため、わずか1〜2回の散布で済みます。除草剤をまくコストや労力が削減されるほか、雑草に吸収されてしまう栄養素が農作物に行き渡ることにより収量の増加も期待できます。また除草剤の削減や不耕起栽培など、環境にやさしい農業を行うことができます。モンサント・カンパニーが開発した除草剤耐性作物は、除草剤グリホサート(商品名:ラウンドアップ)にReady(準備ができている)という意味で、ラウンドアップ・レディーというブランド名で商品化されています。現在、ダイズ(大豆)、トウモロコシ、ワタ(綿)、ナタネの4種類の除草剤耐性作物を商品化しています。 ※このほかに、害虫抵抗性と除草剤耐性を掛け合わせた品種もあります。 |
ラウンドアップについて 除草剤には、土壌にまく土壌処理型と茎や葉に散布する茎葉処理型の2種類がありますが、ラウンドアップは茎葉処理型の除草剤です。また、非選択性のためすべての雑草に効果を発揮します。ラウンドアップの有効成分であるグリホサートは土に落ちた場合は水と炭酸ガスに分解されるため環境負荷の少ない除草剤として世界130ヶ国で、20年以上にわたって幅広く使われています。
除草剤耐性の仕組み グリホサートは、植物が持っている特定の栄養(芳香族アミノ酸)を作るのに必要なEPSPS(5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸合成酵素)という酵素を阻害します。これによって植物がアミノ酸を作れなくなり、枯れるという仕組みです。このEPSPS酵素は植物や微生物だけが持っているものなので、もともと酵素を持っていない人間や動物に対してグリホサートは作用しません。 モンサント・カンパニーは、アグロバクテリウムという微生物がグリホサートの影響を受けないCP4 EPSPSというタンパク質を作る遺伝子を持っていることを発見し、その遺伝子を作物に組み込むことで、グリホサートに耐性を持った作物を開発することに成功しました。 不耕起栽培とは 不耕起栽培とは種子をまく前に畑を耕さない農法のことです。畑を耕すと、表面の肥沃土壌が軟らかくなり、風や雨で流されてしまいます。耕地面積の減少を招くとともに、土壌中の農薬が川などに流れ出してしまうという問題があるため、土を耕さない不耕起栽培は環境にやさしい農業と言われています。ただ、土を耕さないと雑草の防除ができないため、実際には難しいとされてきました。1996年にラウンドアップ・レディー大豆が導入されて以来、不耕起栽培を取り入れる農家が増えており、土壌浸食の減少や、土壌中水分の河川への流出減少、土壌の肥沃化による温室効果ガスの排出削減やそれに伴う大気環境の向上など、様々な効果をもたらしています。 |
RoundupReady Soybean (ラウンドアップ・レディー・大豆) 作物:ダイズ(大豆) ![]() |
RoundupReady Corn (ラウンドアップ・レディー・トウモロコシ) 作物:トウモロコシ ![]() |
RoundupReady Canola (ラウンドアップ・レディー・カノーラ) 作物:ナタネ ![]() |
RoundupReady Cotton (ラウンドアップ・レディー・ワタ) 作物:ワタ ![]() |
| ラウンドアップ・レディーの畑は雑草がなく、農作物だけがきれいに揃って生えている(比較対照写真があるものは右) | |
| ラウンドアップ・レディーの利点 グリホサートの影響を受けない蛋白質を作る微生物由来の遺伝子を組み込むことで除草剤グリホサート(商品名:ラウンドアップ)に耐性を持たせた作物です。環境にやさしい農業を可能にし、経済的利益をもたらします。
■RoundupReadyはモンサント・カンパニーの登録商標です。 |